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中学時代に流行った謎の遊び『酸欠』

 

2003年4月29日

少年時代というのはまだまだものを知らない世代であり、またそれと同時に恐れを知らない世代であるため、とかく行動の端々においてムチャな事をしがちです。
中でも代表的なのが、危険な遊びの類。
ある程度年齢を重ねた人物の視点から見るとケガする可能性が高いので到底出来ないような危険度の高い遊びも、恐いもの知らずな少年時代においては、おかまいなしにやってしまうものです。
多くの人は少年時代に『そういえばこんなムチャなあそびをやってたなあ』といった類の記憶の一つや2つはあるはず。
かくいう私もそう。
ということで、今回はそんな少年時代ならではな、中学3年の頃に同級生達の間で一時だけ流行ってた、あるひとつのわけのわからない謎の遊びを紹介していこうかと思います。


タイトルでも書いていますが、その遊びの名前は『酸欠』。
私の同級生内で勝手につけた名前なんですが、名前だけ見たらなんの遊びか皆目見当がつきませんな。
まあかいつまんで説明すると、『酸欠』はこんな内容の遊びです。

1.頭数を3〜5人揃える
2.1人が壁を背に立ち、息を大きく吸い込む
3.残った数人が、その1人を壁に挟んで立つ
4.息を吸い込んだその1人の胸周辺を、数人がかりで壁に向かって(僅かに上向き)に力一杯押す
5.結果、その1人の胸部は壁とサンドイッチ状態で強くプレスされる
6.当然、血液が圧迫され酸欠状態(動脈圧迫状態?)に陥り、数秒後にその1人は落ちる(気絶する)
7.気絶してぶっ倒れたその1人を、すかさず残った数人が一斉に頬をひっぱたいたり蹴ったりして叩き起こす
8.気絶役の人物を変え、最初から繰り返す

とまあ、これがこの遊びの全て。
つまり、柔道やプロレスなどの『締め落とし』を実践して(本当に落として)遊んでいるようなものですかね。
酸欠状態で気絶する事をする遊びをするということで、名前が『酸欠』になったというわけですね。
えっ?こんな行為の一体何が面白いのかって?
痛い所をつきますな…。
まあ確かに冷静に考えたら、胸を押されて苦しい思いはするわ、窒息はするわ、気絶したあとでのひっぱたく蹴るなど一種のリンチに近いような行為はするわなど、どう考えても遊びには見えません。
が、当時はそんな事に関しては微塵も疑問に思わず、『酸欠遊び』をみんな面白がってやっていたのは紛れも無い事実でした。
それも、特にいじめの一種とかそういうのではなく、『次オレ次オレ』という感じで、やる側もやられる側もみなワイワイと均等に順番交代でやっていたんですよね。
ホント、何が楽しかったんだろうか、という疑問が浮かび上がらないでもないですな……。
思うに、柔道などをする人以外は、基本的に『酸欠状態に陥って落ちる(気絶する)』という体験をする事は滅多にないものなのであり、そして少年達にとってはそういう体験をする事は珍しかったため、面白がってやってたのかもしれません。
あ、そういえば私は柔道部だったけど、一緒に参加して楽しんでたたっけ(それじゃダメじゃん)


考えてみれば、脳に血液は行かなくなるし、窒息はするし、肋骨が折れるかもしれないし、心臓は圧迫されるし、気絶したらピクピク痙攣がするし、気絶したら2度と起きなくなるかもしれないしなど、死ぬ可能性の少なくないこの『酸欠』、今思うとものスゲェ危険な事やってたんだよなあ、と思えてしょうがないです。
私を含む柔道部の同級生を筆頭に、この手の危険性はある程度知っていた同級生達もけして少なくはなかったはずなんですが、しかしみなそういう危険性などはまるで考えずにアウトオブ眼中で、とりあえずもの珍しさと新鮮な経験、そして見た目の楽しさ優先でバンバン『酸欠』をやりまくっていたものです。
まさに、後先考えない少年時代特有の『若気の至り』ここにありですな。
全員合わせて、合計して数百回はやったはずですが、よく死人が出なかったもんだ、と今では良い思い出です。
これで死人が出てたらえらい事になってただろうに。


もちろん、そんな危険な遊びを学校側が野放しにしておくはずはなく、この遊びが流行って1週間か2週間ほどしたころか、ホームルームで担任からこの遊びの危険性をイヤというほど説明され、『2度としないように!』と強く禁止されてしまいました。
それ以降、この遊びをやるものはほとんど無くなり、生活サイクルの早い中学時代ということもあってか、数週間もすればあったということすら忘れられてしまいました。


この『酸欠遊び』、今ではどれだけ危険かというのはよく理解しているので、今からやろうといってもとてもやる気にはなれない行為ですが、やっぱ、少年時代というのは物を知らなく好奇心旺盛なため、こういう遊びでもなんの恐れも無くやってしまうもんなんですねえ。
よく親が子供にこんな危険な遊び早めなさいというシーンが現実では良く見られますが、こういうことを思い返してみるに、なるほど、子供がやる危険な遊びを大人が必死で止めるという、そういう気持ちも確かにわからないでもないなあと感じてしまいます。


それにしても、こんなアホな遊びを考え、流行らせたのは一体誰だったのか、いまだに謎です。
そして、こんな異様な遊びを楽しんでいた私と同級生達も、かなりアホだったというべきか…。