アーケードでFPSのデスマッチ!

アウトトリガー

セガ アーケード


1999年に登場したMODEL3基盤による『アウトトリガー』は、ポリゴンで構成された3Dフィールドを走り回りつつ相手と戦っていくという、一人称視点(後方視点)による最大4人プレイ可能な、対戦型のゲームです。
基本的なルールは、プレイヤーキャラを操作し、フィールド内を動き回りつつ1〜3人を相手にドンパチをやらかすというもので、見た目は同社の他のゲームで例えるなら、複数人数で戦うバーチャロンといったものですか。
特徴的なのは、操縦桿型レバー1つにトラックボール1つという、今までのゲームには無い、特殊な操作デバイス
基本的なプレイヤーの操作はレバーで行い(トリガーで攻撃)、プレイヤーの視点変更にはトラックボールを使います。
この視点移動にトラックボールを使用しているというのがポイントで、これによって広範囲を見回しながら移動、後ろ向きに移動しつつ攻撃、敵に照準を合わせたままグルグル周りを回るなど、上半身と下半身を完全に別々に行動させる事が可能となり、これにより従来のコントローラでは実現不可能な自由度の高い視点移動とアクションを簡単に行う事が出来ます。
またアクション自体のスピード感も高く、めまぐるしく臨場感あふれる銃撃戦の攻防が楽しめます。
このゲームの売りは、なんといっても多人数対戦
このゲームでは最大で4人のプレイヤーが入り乱れて戦います。 それも2対にといったチーム戦ではなく、バトルロイヤル。
自分以外のプレイヤーは全て敵、自分以外の動くものは全て発見次第攻撃すればいいという、至極シンプルなルールなので、誰でもすぐにルールを把握できるし、最初のプレイからすんなりと入り込む事が出来ます。
しかし、シンプルだからといって、けしてゲーム自体の内容が浅いというわけでは無いのがこのゲームのポイント。
自分の前方しか見れないという、現実と同じ視点である一人称視点が採用されているので、戦い方も非常に多彩。
攻撃1つ取っても、敵の側面を突く、背後から撃つ、待ち伏せする、物陰に隠れつつ撃つ、狙撃する、逃げながら攻撃する、動き回りつつ撹乱する、弱いがスキの小さい武器でじわじわと攻める、威力の大きい武器で一撃必殺を狙う、など多岐に渡る戦略があり、またそれもプレイ人数が変わるとこれまたガラリと変わる。
つまり、単純なルールであるにもかかわらず、奥深い戦略性とゲーム性を持つという、非常によく出来たゲームといえるわけです。


とまあ、ぱっと見、『アウトトリガー』はアーケードゲームとしてはかなり画期的な作品であり、なおかつ熱中度の高い良作ゲームといえるとは思うんですけど……。
実際には、このゲーム、3回しかプレイしなかったんですよね。
当時は忙しく、あまりアーケードゲームをやり込むひまが無かったというのもあるのですが、しかしそれ以上にこのゲームをプレイしない深刻な理由があったのです。
実は、このゲーム、私個人的にはどうもイマイチなゲームだったんですよ。
いや、もちろんグラフィックはさすがMODEL3基盤を使っているだけあってかなり綺麗だったし、画面は秒間60フレームで描画されてて滑らかだったし、シンプルでありながらアドレナリン出まくりな熱いゲーム内容だったしと、他の人にとっては楽しめる要素テンコ盛りなゲームだろう、というのは私も同感です。
しかしながら、元々この『アウトトリガー』というゲームは、PCの『DOOM』シリーズや『QUAKE』シリーズ、『UNREAL』、『UNREAL TOURNAMENT』といったゲームが下地となっています。
そして、私は『アウトトリガー』より前に、すでにPCで『QUAKE II』や『UNREAL TOURNAMENT』といった同タイプのゲームのデスマッチでこの手のゲームをかなりプレイしていました。
つまり、『アウトトリガー』の面白さはその前に出た同タイプのゲームでさんざん体験していたので、このアウトトリガーが特別新鮮で面白い、と感じる事はなかったんですよ。
いや、ぶっちゃけたハナシ、本家であるPCのFPSゲームに比べて、アウトトリガーの方は少々劣っているかも、という印象の方が強かったですね。


私にとって、決定的にアウトトリガーがイマイチだと思わせる要因は、操作系統に関してでした。
それも、視点移動によるトラックボールが特に。
このゲームの操作は操縦桿型レバーにトラックボールとなっています。 これはPCのキーボード+マウスという操作に近く、正直、非常によく考えられていたと思います。
しかし問題だったのが、トラックボールによる視点移動が上下逆、つまりボールを下方向に回せば視点は上を向き、ボールを上方向に回せば視点は下を向く、となっているのが決定的にマイナスでした
操縦桿型レバーによる飛行機系統の操作ならばこれでもいいのですが、さすがにFPSの視点移動でこれをやるのはちょっと……。
私の場合、このタイプのPCゲームの視点移動では、そのままマウスカーソルの移動と同じ方向に視点が動くように設定してプレイしているのですが、このゲームではそれが完全に逆。
しかもその上下方向の切り替えが出来ればよかったのですが、それが出来ないときたもんだ。
なので、まともにプレイする事など全く出来ず、初プレイと2回目のプレイはあっという間に終了。
3回目のプレイは注意しながら操作していたにもかかわらず、やっぱり上下逆という視点操作は相当に難しく、あれよあれよという間にゲームオーバー。
また他にも攻撃やジャンプなどのボタンの位置が私には微妙に押しにくい場所にあり、これまたPCのFPSゲームに比べてやりにくいものでした。
PCのFPSゲームの場合、もしもデフォルトの操作がやりにくい場合は、キーコンフィグにて自分のやりやすいように全てのボタン位置のカスタマイズを行えるようになっているのですが、さすがにアーケードゲームではそういう便利な機能は付かなかったようです。
ただしかし、視点の上下の切り替えくらいは付けてくれてもよかったんですけどねえ……。(注:もしかしたら出来るかもしれないけど、少なくともインストカードにはその手の説明はありませんでした)。


ゲーム自体、PCのFPSゲームを体験しているので特に珍しいと感じる事もなかったし、操作もかなり難解。
武器の種類もそれほど多くなく、しかもPCのFPSゲームでは10人や20人、果ては32人が入り乱れてプレイするのも珍しくないデスマッチですが、アウトトリガーでは最大プレイヤー数がたったの4人と、PCの同タイプのゲームに比べるとどうにも迫力不足でイマイチでした。
この手のゲームをプレイした事のない人にとってはかなり画期的で楽しい要素満載なゲームであり、アーケードにおけるFPSゲームという観点からすれば非常によく出来たゲームだとは私も確かに思うのですが、しかし本家本元のゲームをさんざんプレイしてた私にとっては、それほど魅力のあるタイトルではなかったみたいです。
いわゆる、ドラクエ3や4、5などをすでにプレイした事のあるプレイヤーが、ドラクエ1をプレイしてもイマイチ魅力を感じられないようなものですか。
つまるところ、私には合わなかったという事ですね。
何とも残念というべきか、それとも必然的というべきか……。


そういえばこのゲーム、ドリームキャストに移植されてましたね。
売れたのかな?

2002年4月21日


戻る