しゅわっと登場
タイトル画面。 ところで誰ですか、OKI HAJIMEって?


  SWAT

Special Weapons and Tactics



東映動画 ファミコン


SWATとはアメリカの警察機構に属する特殊部隊のことです。
これを書いている2003年においては、SWATをモデルにしたゲームというと、現在4作目まで出ているSierraのタクティカルアクションゲーム『SWAT』シリーズが有名ですね。
が、実はかつてファミコンでもマイナーながら、かつてSWATをモチーフにしたゲームがありました。
その名もSWAT。
Sierraのゲーム同様、そのまんまなタイトルですな。
登場は1987年。
潜入口の選択。 ところでなんで上の語にはなぜビックリマークがついてるのでしょうか? 見りゃ分かりますが、あたりに人影はありません。 でも、このゲームでは見ないと人影を発見できません。

基本的な内容は、よくある特殊部隊ゲームと同様で、ビルを占拠したテロリストを討伐し、人質を救出するため、プレイヤーを含む5人のSWATメンバー達がビル内に潜入していくという内容です。
ゲームは『しらべる』『きく』『あける』といったコマンドを駆使して探索していく、コマンド選択式の探索アドベンチャー方式です。
そして移動は3Dダンジョン方式。
さらに戦闘はドラクエのようなコマンド選択型。
まとめると、3D迷路のようなビル内を探索しつつ、コマンドを駆使してビル内を探索し、戦闘はドラクエ方式で展開されていくわけですね。
例えるなら、ウィザードリィ系+コマンド選択型アドベンチャーという感じでしょうか。
ちなみにレベルや経験地といった成長する要素はありませんので、表面的にはSWATシミュレーションというべきかな。
色々な要素を取り入れた、なんとも欲張りなゲームといえます。
まだフロアを制圧してないと、「いやまて、まだ敵が残っている」といいます。 なぜ分かる? 細かく狙う所が区分けされています。 所で左の男、頭デカイですね。

このゲームの特徴、それは『ゲーム中の設定や項目、コマンドなどがやたら細かい』、という部分に尽きるでしょう。
つまり、こだわりを感じさせるほど細かいゲーム内容だ、と。
今でこそリアルさを押し出した特殊部隊ゲームでは、詳細な項目、設定、パラメータといった類のものが存在するのは当たり前ですが、ファミコン版『SWAT』はそれに先駆ける事1987年、昨今の特殊部隊ゲームの細かなシミュレーション性を本格的に導入していたパイオニア的ゲームだった、といえるかもしれません。
通常シーンでは、24時間という時間制限、潜入場所の選択、探索、ワナ外し、赤外線センサーの発見、音を聞く、周囲を見回す、部隊のフォーメーション設定、通信機使用、各人の武器持ち替え、ドアの向こうへ突入、煙幕使用、隊長や副隊長といった階級分け、といった項目やコマンドが事細かに設定されているというこだわりよう。
戦闘シーンでも、接近、射撃、特殊武器、攻撃、援護、回避、突撃、忍び寄り、KF(ナイフ)、HG(ハンドガン)、SMG(サブマシンガン)、RF(ライフル)、背後から攻撃、胴体へ攻撃、頭へ攻撃、腕へ攻撃、軽傷、重症、重体、尋問、殴って情報を吐かせる、自白剤を使う、重体の敵にムリして尋問すると死亡するなど、これまたむやみに細かい。
とにかく項目やコマンドがいちいち細かいので、その手のものが好きな人には垂涎モノな内容のゲームといえるかもしれません。
製作者はよほど特殊部隊にこだわりでもあったんでしょうかねえ。
尋問シーン。 腕を撃った敵か、重体の敵にのみ尋問できます。 自白剤を使いすぎたり殴りすぎたりすると、死んでしまいます。 ところでWIRってなんでしょうね?

とまあ、マニアックさでは当時トップクラスなゲームと言えたこの『SWAT』ですが、しかしながら、そのマニアックさ溢れる内容がゲーム中に活かされていたかというと、ちょっと首を傾げてしまいます。
当時プレイした記憶を思い返し、また現在も確認のために何度かプレイしてみたんですが、ぶっちゃけ、やりたいことにハードの能力が追いついてない、といった感じ。 もしくは、やりたいことは分かるけど製作者のスキルが足りずにから回りしている、という感じでしょうか。
とにかくいえるのが、このゲームでは項目やコマンドは相当に細かく多岐にわたっている割に、いかんせんそれらに関する情報が少なすぎるという事なんですよね。
言い替えるならば、今戸のような状態にいるか、そしてどのコマンド(アイテム)がいかほどの効果を上げるか、というのが画面を通して伝わってこない、というべきですか。
例えば移動画面ですが、この画面から入手できるプレイヤーや周囲の情報はほとんどありません。
あるとすれば、数メートル前の風景くらいか。
この手のゲームでは画面の端々に一目でわかるパラメータなどが表示されているものですが、このゲームにはそんなものがないんですよね。
隊員のパラメータを知るには、いちいちウィンドウからコマンドを実行してステータスを見なければならない。
また、周囲に人間がいるかいないかを知るのも、マップ画面では表示されないので、いちいち移動する度に探索系のコマンドをその都度試していかないと分からない。
入り口付近を固めている見張りこそすぐに見付かるのですが、それ以降は細かく調べていかないとなかなか人間が発見できません。
時には、同じ部屋の中に人がいるのにいちいち『探す』コマンドをしないと見付からない、という事も。
見た目でなく、ほとんど文章のみで状況判断をしなければならないわけです。
つまり、ぱっと見で状況判断がしにくいんですよね。
おまけにフィールド画面もシンプル過ぎるので、マップの構造が分かりにくい。
というか、このゲームには全体マップがありません。
普通、SWATなどの特殊部隊が建物内部に侵入する場合、マップなどを広げ、建物内の構造をこと細かく把握して突入するはずなのに、このゲームではそれが無いのです。 おまけに方角すら表示されません。
おかげで自分がどこにいるかすらもイマイチ分からず、すぐ迷ってしまう。 もちろんそのため、テロリストや人質を発見するのも相当に難しい。
項目はやたら細かい割に得られる情報は少ないため、こと細かに設定されているコマンドやアイテムの類が、どうにもこうにも無意味な気がしてならないんですよね。
おまけにこんな面倒なシステムなので、前述したように、新たな発見(人質など)をするのも困難。
つまるところ、SWATでは、多岐で微細にわたるマニアックなコマンドやアイテムの類の設定を採用しているのはいいけれど、それがゲームを面白くしているかといわれるとNOで、単にやたらに面倒で分かり辛い要素にしかなってるとしか思えないんですよね。
正直な所、私的には、やりたいコンセプトは分かるけど、いかんせんゲーム化するに当たってそのコンセプトがどうもうまく機能していず、空回りしているモノ、というのに思えてならないです。
時代的にシンプルなゲームが多かった当時、こんなマニアックな内容のものを出したチャレンジ精神は評価されるものですが……。
ある意味、『アメリカ大統領選挙』や『陰謀の惑星シャンカラ』と同類のゲームといえるかも…?
ステータス画面。 名前がひらがななのが緊張感欠けますな。 そっと忍び寄り、ナイフで襲いかかる!

私は当時、このゲームを確かどこかの中古屋の投売り値段で売られてたのを他のソフトと一緒にまとめて買いました。
もちろん裸ソフトで説明書などは一切無し。
そんなわけですから、一体どういう内容で何をすればいいのか、ゲーム中は何を重要視すればいいのか皆目見当つかなかったもので、ゲームはひたすら手探りプレイばかり。
このゲーム、私はせっかく買ったんだからと、なんとか元を取ろうとして10時間ほどやりこんだことがあるんですが、最終的には一番最初のフロアである1階を制圧する事すら出来ませんでした。
説明書も攻略本も無かったため、ゲームの目的がわからず、プレイ方法も分からず、何をどうすればいいのかも分からず、コマンドの意味もわからず、アイテムの意味もわからず、マップも分からないと、とにかく何から何まで分からないづくし。
もちろん、マイナーなゲームだったので、他に持っている友達もいなかったというおまけ付き。
また、当時の私はまだ全然ミリタリーマニアっ毛が一切無かったため、このゲームの設定自体にもなんの魅力も感じれませんでした。
そんなわけですから、あまりプレイしようという意欲が沸かず、その後も何時間かはプレイしたけど、結局は飽きて、そのまま止めてしまいました。
その後の事は覚えてませんが、多分中古屋に売り払ってしまったんでしょう。
ただこのゲーム、今から考えてみると、特殊部隊ゲームが多数登場しそれがけっこう売れているというPCゲームの現状から、時代を先取りしすぎたゲームなんじゃないかな、とも思えたりして。
って、これはちょっと深読みしすぎかもしれませんが。
フォーメーション設定。 これがどれくらい影響するのか、イマイチよく分からないです。 扉の向こうにいくのにも3つの手段が。 でもHBってなんですか?

そうそう、ゲーム本編とは関係ないのですが、このゲームでものすごく印象的だったのが、ファミコン通信で紹介されていたこのゲームの敵キャラクター紹介の項目。
このゲームの敵には名前が無く『てき1』『てき2』と表示されており、敵毎の区別は外見以外ありません。
そんなわけだったのかどうかは分からないのですが、ファミコン通信ではこのゲームの特集ページで、ゲーム中の敵キャラをイラスト付きで大まかに

 敵1 : シブいヤツ
 敵2 : アブねーヤツ
 敵3 : ただのデブ


と紹介していました。
今考えても、この紹介文は果てしなく謎です。
なんですか、シブいヤツって。
アブねーヤツって、テロリストはみなアブナイやつでしょうに。
ただのデブって、手抜き紹介にもほどがある。 他に言葉は無かったのか。
一体、どういう意図でこんな珍奇な敵キャラ紹介記事を載せたのか、いまだによく分からないですね。
なぜだろう…。
左の男、右半身のデッサンが変じゃないですか?

2003年4月10日


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