名も無き兵士の物語。 おのれ以外は全て敵、生きてここから脱出せよ!
タイトル画面。壊れた飛行機が悲哀を感じさせます。 敵に囲まれて唖然とする主人公。 


CAL.50

セタ アーケード


ベトナム戦争を題材にしたセタの上方視点の全方向型アクションゲーム。
キャリバーフィフティー』と読みます。
ベトナム戦争を舞台にしてるだけあって、内容は相当に硬派でグラフィックもリアル。
当時とてもカッコイイものに思えました。


このゲームの主人公は、飛行機の不時着によって北ベトナム軍の捕虜となった男。(でもベトナム戦争当時、F‐14戦闘機って採用されてましたっけ?)
牢屋に入れられて数十年後、仲間のヘリが現れ主人公を牢から出してくれます。
しかし、仲間とヘリに乗って脱出しようとしたその瞬間、北ベトナム軍の攻撃によってヘリは轟音とともに大爆発。
地面に投げ出された主人公が辺りを見回すと、ヘリの残骸と仲間の死体が。
どうやら生き残ったのは自分だけらしい。
そしてすぐそこからは敵の迫る音が!
主人公はそばに落ちていたマシンガンをつかみ、生きてこの地を脱出すべく走り出すのだった。


とまあこんな出だしからゲームは始まります。
ゲームシステムはSNKの『怒』に類似していて、ループレバーに2ボタン、ボタンはそれぞれ銃と手榴弾に対応。
しかしこのループレバーの方向スイッチ、『怒』では進行方向と同じ8方向でしたが、このゲームでは16方向となっています。
『怒』よりも方向数が細かいですが、しかしあらゆる方向から敵が迫ってくるゲームなので、気の利いた調整だといえるでしょう。


ゲームの目的は、四方八方から雨あられと降り注ぐ銃弾をかいくぐり、仲間のヘリに乗って脱出すること。
特にステージなどの区切りはなく、全体が一つの大きなエリアとなっているのが特長です。
ゲーム中の敵兵士は出現パターンが特に決まってなく、いたるところから出現し主人公に攻撃をしかけてきます。
このどこから敵が出現するか分からないというものが、いかにもベトナム戦争といった感じがして緊張感を持たせてくれます。
主人公の武器は最初は威力の弱いマシンガン。
威力や射程が短いのでつらいですがしかし、敵兵士を倒した時に出る弾丸を回収していく事により射程距離の長いロケットランチャー、射程は短いが威力の高い火炎放射器などへパワーアップしていきます。


このゲームのキャラクターは少し小さめです。
しかしその分敵の数が異常に多い!
常に10人や20人の敵に包囲されているといった状況です。
なので、ゲーム的にはアクションというよりも全方向シューティングに近いかもしれません。
ゲームは終始激しい銃撃戦によって展開されていくので、この手のが好きな人にはかなりやりこみがいのあるものとなってます。
そしてなんと言ってもこのゲームの語る上ではずせないのがグラフィック。
とても細かい!といえるほど、動きや演出が非常に凝っています
とにかくこのゲーム中の人物の動きやしぐさがとても細かい!
最近のではSNKの『メタルスラッグ』シリーズが、グラフィックや動きの細かさで有名ですね。
ただ、ゲーム自体が昔のゲームでもあるし内容がストイックなもののせいか、コミカルチックな『メタルスラッグ』よりも画面的には少し地味な印象を受けます。
しかし、キャラの動きによる演出の細かさは本物。
上でこのゲームの簡単なストーリーを書きましたが、このストーリーはセリフが一切無く、キャラクターの動きのみで展開されていきます。
デモ画面では飛行機が墜落し、ジャングルの中で気を取り直した主人公が、北ベトナム郡の兵士達に囲まれるというものですが、この時の主人公が相棒を起こす動きや、北ベトナム軍に驚いて辺りを見回すしぐさなんかが、小さなキャラのわりに生き生きしててすごくよく出来てます
そしてゲーム本編開始時も、味方のヘリが着陸して収容所の扉を開ける時には、もう1人の兵士はしっかりと援護射撃をしているなど、まるで戦争映画を見ているような細かい演出がすばらしい。
もちろんその細かい演出はゲーム中でも遺憾無く発揮されており、敵の兵士の倒れるパターンが同じ兵士でも数十種類もあったり、倒した敵兵の死体がそのままその場に残ったり、茂みの中に隠れてじっと様子をうかがっている兵士がいたり、火炎放射器で倒すと黒焦げになったり、洞窟の中ではちゃんとライトをつけていたり、崖の上で主人公の動きをひそかに覗いている奴がいたり、ラストシーンの仲間のヘリからは主人公を助けるために手を伸ばして身を乗り出している兵士がいたり、その横ではヘリに添えつけられたマシンガンで援護射撃している兵士がいたり、しかのそのマシンガンからはちゃんと薬莢が出ていたりなど……。
出てくるキャラクター達の動きやしぐさが小さい割にはとても細かくて、見てて飽きません
私はこういう細かい動きや演出が好きなので、大半はこれが目的でこのゲームかなり熱中したものです。
また、タイトル画面に表示される錆や汚れでボロボロになった戦闘機からは、プレイヤーがいかに長い間捕虜生活を送っていたかというのが見て取れます。 細かい所まで懲りまくり。
とにかくこのゲーム、キャラクターの細かい動きや、細かな演出だけでも一見の価値ありです。
そして、ゲーム内容も常に無数の敵に取り囲まれているような状況ばかりという、まさに『戦争』という言葉がぴったりあてはまるゲームでした。
ただ、当たると即死な上にスクロールアウトで復活するトラクターや、やたらに強力なサルなど、ちょっと首を傾げたくなる部分もありましたが。
でもそれを差し置いても、硬派で渋くてカッコええナイスなゲームです。

2000年9月1日
ニワトリがいっぱい。ちなみに牛は殺せます。 前後左右敵だらけ!まさに『戦争』!! 死体だらけ……。


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