略すと、『ブラパン』となるかな。
タイトル画面。 見た目チープそうな雰囲気ですが、実際チープです。 爆発のグラフィックと全くマッチしてない、『Push Start Button』の文字。 普通ここはストーリー載せるんじゃないの…?


ブラックパンサー

 BLACK PANTHER

コナミ(コアランド?) アーケード


1987年に登場したこのゲームは、主人公のブラックパンサーを操作して敵を倒していく横スクロールアクションゲームです。
バックストーリーについてはよく知らないんですが、コイン投入直後の地球のあちこちで爆発が起こっているシーンと、ゲーム中の敵が主にワケの分からない奇妙なメカ系なのから推測するに、多分、ワケの分からないメカ系の敵が現れたもしくは暴走したので、ブラックパンサーがとりあえずそいつ等を始末しに行くべぇ、という感じなんでしょう。
でもなんで主人公が黒ヒョウなのかは謎ですが。
って、そんな事はどうでもいいですね。
そもそも昔のアクションゲーム、特にアーケードゲームにおいては、ストーリーなんてあっても無くてもどっちでもいいものでしたし。


ところでこのゲーム、話によると開発元はサイバータンクなどを生み出したメーカー、コアランドらしいです。
で、販売はコナミから、と。
……なんですが、どうもこの『ブラックパンサー』というゲーム、メジャーなメーカーであるコナミ販売(コアランドはマイナーだけど)だったわりに、出回りは非常に少なかったようです。
なんでも国内での基盤出荷数はたったの50枚くらいとか。
その上ゲーム自体も平凡かつ印象度が低いものだったので、リアルタイムでプレイした事のある人などはもうほとんどいないはず。
そんな極めてマイナーな存在といえるゲームですが、なぜか私はリアルタイムで目撃、そしてプレイした事があります。
ええと、どこでだったッけ……。
そうそう、あれは家の近所にある健康センター(健康ランドともいうかな)でした。
そこはけっこう大きな健康センターでして、客足もけっこう良く、私もたまに親に連れられていったりすることがあったものです。
といっても、当時の私はまだまだ子供。
多種多様な種類のフロやサウナなんぞに興味を持てるはずも無く、もちろんマッサージなんぞも論外。
そこでのもっぱらな楽しみといえば、ゲームコーナーだったものです。
フロを早めに切り上げ、親からおこずかい(数百円)をねだりにねだって、そのゲームコーナーで全神経を注いで遊んでいたものです。
もちろん、持っているお金は百円から数百円程度なので、ゲームをプレイする決心がなかなかつかず、お金を握り締めたまま長時間デモ画面ばかり眺めているというのはお約束。
で、結局一度もプレイしないまま時が過ぎ、親から『そろそろ帰るぞ』といわれて無念の涙を飲むというオチもしばしば。
おっと、話がそれましたな。
まあとにかく、ブラックパンサーは、そんな健康センターのゲームコーナーで見かけたゲームだったというわけです。
なので、プレイしたもの合計して3回程度。
普通なら忘却の彼方ですが、なぜかえらく印象に残っているゲームだったりします。
なんででだろう……?
ま、思い出話はこのくらいにして、ブラックパンサーの紹介。
ブラックパンサーは敵と戦う! でも敵キャラのデザインがカッコ悪いゾ

このゲームは前述したように、黒ヒョウ『ブラックパンサー』を操作して敵を倒していく、横スクロールアクションゲームです。
といっても、そんな一言ではくくれないのが、このゲームの特徴。
……といっても、基本的にはネガティブな意味でなんですけどね。
ぶっちゃけ、C級ゲーム集のプンプン漂うタイトルだったりします。


このゲームの注目すべきは、まずなんと言っても主人公の基本攻撃でしょう。
主人公はブラックパンサー。
その名の通り黒ヒョウです。
こいつの基本攻撃は、前足のツメでの引っ掻き。
ですが、コレがなんともショボイ。
攻撃ボタンを押すと、自分の目の前にツメ攻撃がチョビッと出ます。
その様は、引っかいているというより目の前の物体にじゃれているよう。
当然リーチも極端に短く、目の前の敵に攻撃を当てるだけでも一苦労。
力いっぱい超絶連打してても、目の前に迫ってくる敵(しかも動きが遅い!)に攻撃が当たらず体当たりを喰らうのが日常茶飯事なほどのリーチの短さ。
リーチが1キャラ分もありません。
プレイヤーの攻撃の貧弱さ、という面においてはかなりのレベルを誇ってます。
大体にしてヒョウとかの動物といえば、噛みつきが主な攻撃手段になるべきなのに、引っ掻き攻撃をメインにした当たりでなにか間違っているような気が…。
あ、そういえば踏みつけも攻撃手段として機能してたっけ。
伝家の宝刀、引っ掻き攻撃炸裂!! 見よ! このリーチの短さ!!! 何気に走りながらでも攻撃出来たりします。 相変わらずリーチ短いけど。

オープニングの雰囲気やゲームのハードな音楽から察するに、ブラックパンサーは雰囲気的にはかなり硬派な内容のアクションゲームらしいですが、しかしなんというか、ぶっちゃけていってしまえば、このゲーム、出来はあんまり良くないです。
先ほどもいいましたが、今考えてみると、出来としてはまさにC級。
不満を上げればキリがありませんが、とりあえずいくつか上げてみると、以下のようなものがあります。
プレイヤーであるブラックパンサー、動きに僅かな慣性が働くので、細かな動きが異様にし辛いです。
おまけにジャンプの軌道制御もムチャクチャやりにくいというおまけつき。
敵キャラは体当たりを主な攻撃手段とし、やたらに大量に迫ってくるのですが、前述したようにプレイヤーは細かな動きのし辛さと攻撃判定の小ささから、敵を攻撃するのは相当に難しい。
数匹攻撃するだけで、大抵一度はダメージを受けるもので、敵一匹倒すのに瀕死の重傷を負うというのも珍しくない。
ザコ敵を攻撃するだけでも命がけです。
おまけに敵キャラは地形に添って動いたり、重力を無視するかのように縦横無尽に画面を動き回ったり、何の前触れも無く突然ワープ移動をやらかすものがいたり、ムチャクチャに移動速度の早いものなど、イヤになるくらいムカツク動きのオンパレードなので、攻撃しにくささらに倍増。
それだけでなく、敵キャラの中には絶対に倒せないヤツなんかもいたりします。
その上その倒せない敵キャラがやたらに大量に出現すると来たもんだ。
その頻度たるや、まさにウジャウジャという表現がピッタリ。
大体にして、敵5匹に1匹の割合で出てくるほどで、ひどい時には4、5匹出てきて画面を埋め尽くしたりも。
さらに追い討ちをかけるように、このゲームには永パ防止キャラ(永久パターン防止キャラ)が採用されていて、少しでも一箇所で留まっていると、すぐにそいつが画面から出現してプレイヤーに高速で体当たりをカマしてくるなど、無駄な所に力が入ってます
他にも、プレイヤーはライフ制ですが、ダメージを喰らうと後方に吹っ飛ぶというシステムもヒドい。
このゲームにはダメージ後の無敵時間が無いので、敵に追い込まれたらボンボンとなすすべもなく連続でダメージを喰らってしまいます。
先ほど言った倒せない敵キャラに囲まれてなすすべもなくボコボコにされてライフを一瞬にして失うと、ストレス溜まりまくりで、何度もやられると画面に垂直落下ジャンピングニードロップをかましたくなるくらい憤怒します。
また、このゲームはライフ回復の機会が相当頻繁にあるゲームなので、前述した攻撃の喰らいやすさと合わせると、つまり攻撃を何度も喰らいながら何度もライフを回収しながら進むという力技プレイ、いわゆる大味なプレイになります。
敵の数匹セットを倒すだけでアイテムボールが4つバラバラと出現し、それを取ると数ポイントのライフアップ。
でも、それを取るために攻撃を喰らう(というか、アイテムが敵に重なるので喰らわざるをえない)ので、結局は全然ライフ量は変わらない、と。
敵をやり過ごそうとしても、大量に出てくるので避けることなど不可能。
つまり、倒すしかないのです。
で、倒しつつダメージを受けつつライフを回復すると。
こんなプレイの繰り返し。
もちろん、進む毎に回復量よりもダメージを喰らう量が増えていくのはお約束。
ナンとも大味なゲームです…。
あ、ついでにグラフィックも当時の他のゲームと比較して、けっこうショボ目
特にコンティニューカウントのドットの荒さは必見です。
見よ!この荒いドット…! 上の数字をそのまま拡大しただけなんでしょうな。 右のイボイボしたグレーとオレンジのヤツらが、絶対倒せない敵キャラです。 こいつが全編通してやたらに出まくるからタマラナイ。

一応、このゲームにもウリといえる要素はあります。
それは、ステージ中間地点で出現するパワーボールを取る事により、ブラックパンサーがパワーアップするというもの。
パワーボールを複数個集めると、ツメの攻撃力が上がったり、ローリングアタックみたいな攻撃が出せたり、目からビームを発射できるようになるなど、ちょっとした武装強化がなされます。
もっとも、目からビームとかはけっこう強力な攻撃なんですが、ツメの攻撃力アップやローリングアタックが全然使えないあたりはさすが。
それ以前に、そんな武装強化はいいから、とりあえずデフォルトのツメ攻撃の弱さを何とかしてくれといいたいですな。
ついでに、死ぬとパワーアップ無くなるし。
ちなみに集めるべきパワーボールは、なぜか特定地点の上空から無造作に降ってきます。
あとからあとからバラバラ出てくるので、その場に留まれば相当大量に回収するのは可能となっていますが、しかしパワーボール出現場所ではデカい無敵キャラがやたらにウジャウジャ出現する上に、ちょっと留まるだけですぐに永パ防止キャラによる攻撃が始まるので、パワーボールを集めるのは他の道中よりも命がけ。
こで出てくる無敵キャラに画面端でボコられて昇天、というケースが相当に多いです。
通常攻撃が貧弱貧弱なゲームなのに、その上パワーアップしようとするだけでもこの苦労。
誰か何とかしてください。
パワーボール地帯。 そして同時に、倒せない敵キャラ増加地帯でもあります。 右端に一匹、左上にデカイのが一匹。 パワーアップ! なまいきにも、稲妻効果で盛り上げようとします。 どうせすぐ死ぬのに…。

さて、このゲームの大きな特徴、それはボスにあるとも言えます。
なぜって、なんか、どのボスもみんな四角いんですよ。
そりゃもちろんボス毎に細かなデザインは異なるのですが、しかし共通して言えるのが、全体的に『四角い』という事です。
例えるなら、そうですね、大阪名物バッテラ寿司のような、四角い箱の中にすし詰め状態でギュウギュウに押し込められていたかのような感じ。
ちなみに細かく言うと、敵キャラの中にも何気に四角いヤツらが多かったりします。
おかげで、このゲームの敵キャラに対する印象度は、『四角い』に集約されてしまうような、そんな気がします。
もしくは、『怪しい』か。
ボスその1。 四角いです。 ボスその2。 まったくもって四角いです。

とまあ、色々このゲームに対して文句をはつらつと並べてしまいました。
しかしながら、誤解の内容にいっておきたいのが、コレは今だからこそ言えるものであり、当時の私にとっては、こんなものでも十分楽しめるゲームの一つだったということです。
特にアーケードゲームの場合お金がかかるので、上でも書いたように、ろくにお金を持っていない子供時代は、どんなゲームをプレイするのであれ、1回のプレイに全神経を注いで全力で熱中し、楽しんでいたものですから。
今ではゲームをプレイすると、色々な評価を下したり粗探しをしたり批判めいた事を語ったりといったことをしてしまいがちですが、しかし当時はそんなゲーム性うんぬんやバランスがどうとかいった部分を考える事などほとんど無く、単に『テレビゲームで遊べる』ということ自体に楽しさを見出していたものです。
世間でレトロゲームの話題をする場合、よく『昔はよかった』という言葉が飛び交うものですが、昔のゲームが楽しく思える要因の一つとして、上記の要素があるからかもしれないですね。
と、私は思います。
言いかえるなら、純粋な少年時代だった、とも言えますか。
ただ、今になって改めて冷静に考えてみると、当時の他のゲームと比べてもかなりチープなこのゲーム、なんとなーくやっつけ仕事っぽいような雰囲気が感じられるような気がしますな。
といっても、本当のところはどうかは知りませんが。
仮にそうだったとしたら、当時はこんなのでも十分面白がって遊んでいた私(といっても3回だけだけど)なんぞは、かなりおめでたいガキンチョだったのかも(笑)
ま、真実はもう知る由の無い忘却の彼方となってしまいましたが……。
グラフィックはPCエンジンクラス。

とりあえず、このゲーム、まともにプレイするとかなり出来が悪くてどうでもいいゲームといえます。
実際、私もかなりモンクたれてしまいましたし。
でも、そんなゲームは、ちょっとひねた感じで遊ぶ、つまりナナメ上の視点でツッコミを入れながらプレイすると、けっこう楽しめちゃったりします。
『ウォー!!引っ掻き攻撃のリーチがホントにみじけェー!!』とか、
『攻撃ショボーイ!!』とか、
『ダメージ受けまくりだよ〜』とか、
『ウォォー!!敵のデザインが奇妙でおもしれェー!!』とか、
『ウワー、ボスキャラみんな四角〜い』とか、
『グラフィックのタッチが怪しすぎだよなあ』とか、
『おオー!!倒せない敵キャラに囲まれてリンチされて死んじゃったよー!!』など。
実際、私もレビューを書く時に何度か確認プレイしたのですが、まともにプレイするとストレス溜まりまくりだったけど、ツッコミしながらプレイするとけっこう楽しかったものです。
いや、笑えたというべきかな。


2003年1月4日


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