何よりもまず、そのムービーの美しさに目を奪われる
オープニングのワンシーン。カッコイイですな。


パラサイト・イヴ

スクウェア プレイステーション

日本ホラー小説大賞(でしたっけ?)を受賞した瀬名秀明原作の大ベストセラー小説『パラサイト・イヴ』のゲーム化。
原作付きのものをゲーム化というのはスクウェア初の試みらしく、『シネマティックRPG』という触れ込みとともに発売前の話題はかなりのものだったと思います。
確かアメリカで製作されたとか。


 ストーリー

クリスマスイヴの夜、ニューヨーク。
カーネギーホールで起こった突然の人体発火事件。
運命のその日、『来るべき日』に向けて急速に進化を進めていた『それ』は目覚めた。

「私は………私はイヴ……」

数億年も昔から人間の細胞に寄生(パラサイト)し、核と共存してきた存在。

ミトコンドリア。

どちらが淘汰するか、淘汰されるか。

今、人類とミトコンドリアの『種の保存』を賭けた最後の戦いが始まろうとしていた……。


 主な登場人物

 アヤ・ブレア
本編の主人公。
幼い頃母親と姉を事故で亡くしたのをきっかけに警官を志し、ニューヨーク市警17分署に配属されて半年になる。
一見おとなしそうだが、実は芯が強く気丈な性格。
相棒のダニエルと衝突する事も珍しくなく、署では『父娘コンビ』とも呼ばれている。
カーネギーホールでの人体発火事件を境に、彼女の運命は大きく揺れ動く事になる。

 ダニエル・BO・ドリス
20年のキャリアを持つニューヨーク市警17分署のベテラン刑事。
現場こそ警官の仕事場という信念を持っているので、昇進とは無縁。
一年前に妻と離婚し、息子ベンを男手ひとつで育てている。
アヤに対しては良き先輩であり、相棒であり、父親のような存在。

 前田邦彦
日本の大学薬学部の研究室に在籍する科学者で、数年前のある事件をきっかけにミトコンドリア専門の研究を始めた。
科学者としては有能だが、それ以外の事に関してはまるで無頓着で、服装や髪型なども全然気にしてない様子。当然女性にも縁が無い。

 メリッサ・ピアス
この度、クリスマスイヴに公演されるオペラで念願の主役を演ずる事になった新鋭のオペラ女優。
幼い頃は内向的な性格だったが、オペラとの出会いが女優を志すきっかけとなった。
ただ、昔から病気がちだったせいもあってか、女優になった今でも病院に通っており、薬も常時服用している。

 ハンス・クランプ
生物学者。
極度の人間嫌いで、研究の時間を割かれるのがいやという理由からアメリカ自然史博物館に研究所を構え、そこで研究を行っている。
昔は医者だったという噂も。


ゲーム自体は『シネマティックRPG』という肩書きがついていますが、基本路線は人との会話、移動、戦闘、イベント、という風に普通のRPGとほぼ同じです。
特徴的なのは、一週間という限られた期間の中でストーリーが展開されるという事。
まあ時間が限られているといっても、イベントのクリアによって時間が過ぎるようになっているので、特に意識する必要はありませんが。
ストーリーやイベントシーンの合間にはムービーが挿入され、ゲームを盛り上げます。
ここら辺がシネマティックといわれる部分ですかね。
舞台が現実のニューヨークなので、セントラルパーク、アメリカ自然博物館、カーネギーホールなど、実在の場所が多数登場し、知ってる方はちょっとニヤリとするかも。(^^
警察署にて。 アヤを心配するダニエル。


さて、私はこのゲーム、合計で3回クリアしました。
しかしながら、このゲームはお世辞にも完成度は高いとは思えませんでした
かといってこれが駄作でクソみたいなゲームなの?というとそうとは思わない。
う〜ん、うまく説明できませんが、あえて言うなら『荒の目立ちすぎた残念な作品』という感じですか。
ここからはいろいろ細かく感想を書き綴っていこうと思います
ストーリー的に少々ネタばれな内容を含むので注意。


まずこのゲームで一番の売りともいえるムービー。
これは正直すごい
当時のトップレベル、いや、プレイステーション全ソフトの中でもトップクラスのクオリティのCGムービー、といえるのではないでしょうか。
特に個人的にはスタート前のデモムービーが好きです。
主にゲーム中で使われるムービーを繋ぎ合わせただけのダイジェスト版なのですが、これにゲーム中で使われる文章や単語が挿入されるというもので、いわゆる映画の宣伝で使うダイジェスト版みたいな感じです。
これがとにかくカッコいい!
よく映画でも聞く事ですが、本編よりもダイジェスト版の方が数倍面白そうに見えるというのも、あながち間違ってないのかもしれませんね。
とにかくこのダイジェスト版のムービーはかなりの出来だと思います。
ところでゲーム開始直後、オープニングムービーは自由の女神のシーンから始まるのですが、この自由の女神がなぜか映画俳優の『シルベスター・スタローン』(ロッキーとかランボーとかの俳優)にそっくりと思うのは私だけでしょうか?
で、その後突如起こる人体発火シーン。
ちなみに初プレイ時、アヤを睨む時のメリッサの変色した目が凄く怖かったです
メリッサの登場シーンより。 彼女の目、ちょっと怖いです。

しかしよくこういったゲームの3DCG人物に関して思うことがあるのですが、やはり日本のCGの人物って欧米とはかなり趣向が違うものだなーと感じます。
あくまでCGとしての綺麗さを求める日本のゲームグラフィックとは違い、欧米ではゲームなどのCGの人物顔は限りなくリアルなものに近づけようとするのが特徴ですよね。
もちろん3DCGのキャラもリアル系な人物が多い。
PCゲームのキャラや、ゲームのパッケージなんかをみてもよくわかります。
なので、主人公なのに大してカッコよくない無骨な顔、というのもよくあったりします。
反対に日本のゲームの人物顔は現実的でリアル系なのはあまり受け入れられず、CGとしての綺麗さを求めるものが主流ですね。
なので、綺麗な人物画だけど本物っぽくないものや、描き手の特徴が現れているものが多い。
イラストや3DCGなどでも、完全にリアルなものというよりも、等身が実際よりも大きかったりや、性格がそのまま表れたような顔や、現実には絶対いないけどなんかカッコイイ、渋い、端整整ってる、かわいい、美人というような顔。
そういったCGとして綺麗と言えるような顔立ちの人物が、日本のゲームキャラにはけっこう多いですね。
理想的な顔立ちが多いといったらいいのかな。
本物っぽい泥臭い濃い顔、あるいは不細工というのがあまりない。
これはアニメ、マンガが非常に発達している日本ならではの現象ではないか、と思います。
ただ、日本のゲームのキャラはこのように描き手の特徴が色々と表れる分、同じ人物でもデザインする人が違えば印象がまるでかわってしまうというのが面白いですね。
ある意味、キャラデザインの占める位置は凄く重要といえるのではないでしょうか。
とまあ、最近海外のPCゲームをよくやるので、こういった事をふと思ったりもします。
もっとも、私はどちらにもそれぞれ独自の特徴や魅力があっていいと思いますが。
おっと、少々話が横道にそれてしまいました。

先ほど上げた人体発火シーンでは、数十人以上の人物がパニックに陥りますが、これまた半端じゃないクオリティ
これを実際に作るとなると異常なまでにしんどい作業になるものですが、かなり力を入れていますね。
また最初の戦闘時、ネズミが変身するシーン。
はっきりいってスゴすぎです!
わりとグロテスクなシーンなのでこの手のが嫌いな人にはちょっと合わないかもしれませんが、それでもこれは一見の価値あり、といいきりたいくらい!
特にCGが好きな方にはため息が出る事うけあい。また犬のシーバの変身シーンも同様。
そして序盤でのセントラルパークでの観客が液状化するシーン、これには度肝を抜かれました
CGでここまで液体らしいものを表現できるようになったのか!と思ったものです。
このゲームのムービーでは液状の物体が多数登場しますが、これがかなりうまい具合に表現されていて、見てて本当に感心させられます。
まあ、それでも所々、当時のCG表現の限界らしいと思われる部分もいくつかお目にかかれましたが。しかしここまでいくともはや粗探しのレベルになりますね。
他にも下水道でイヴの放った怪物の出現、戦闘機が空母から飛び立ち市内へ向かうシーン、ミュージアムでティラノサウルスの標本の復活、ヘリでの爆撃作戦、イヴが溶けるシーン、完全体の誕生など、ムービーについてまだまだいろいろ語りたいのですが、きりがないのでとりあえずここら辺で打ち切っときます。
とにかく、このゲームのムービーの質は凄いという事です。実際に見るとそのスゴさが分かるでしょう。こういったのが好きな方には断然一度見てみるのをオススメします。
恐ろしいまでのクオリティで迫る、人体発火のシーン。


さて、肝心のストーリーですが、原作の『パラサイト・イヴ』から数年後のアメリカ、というのが本編の舞台。
私自身、原作については未読なのでなんともいえませんが、原作に関する事もゲーム内では簡単に説明されるので、原作を読んでいないのでゲームが分からないという事はなかったです
主な路線は覚醒したイヴの行方を追うという形で、そこからさまざまな紆余曲折を経て、やがて真実が見えてくるという展開に。
しかし私は実の所、一回のプレイでは完全にストーリーを理解しきれませんでした。
途中で一週間ほどプレイしなかった時期があったもので、その際今までの細かい事を忘れてしまい、クリアしてもあんまりストーリーがつかめませんでした。
二回目のプレイではストーリーはしっかりつかめましたが。
それにしても、こういったストーリー重視のRPGの場合にはあらすじ機能をつけてほしいと常々思いますね
特に少し間が開いてからのプレイ再開はストーリーが分からなくなる事が多い!
せめて今自分のすべき事が何かくらいは簡単に表示してほしいものです。
贅沢をいうならこういったRPGなどでは、今までのストーリーをすべて順序だてて見直せる機能なんかもあると便利なんですが。
このゲームでのストーリーは、ミトコンドリアや進化、受胎などわりと専門的な言葉が多いのですが、なかなか面白いストーリーで、二回目のプレイではそのストーリーのよさに感心させられたものでした。
しかし、全般的なストーリーはよく出来ているとはいっても、その節々でちょっと納得いかないような感じがあったのも事実。
特にサブキャラクター達に関しては影が薄く、はっきりいって主人公のアヤ以外は(ストーリー上では重要キャラでも)全然目立たなくて本当にどうでもいいような存在といった気がします。
ダニエルと息子のベン、離婚した妻のロレーンとの関係などはいろいろわけありのようですが、これらはストーリーの節々で一言二言語られるだけで、詳しい事は分からない。
その癖にいつまでもだらだらと引きずってます。
また警察署長と警察犬シーバとの関係についても、なにやら中途半端な説明のみでいまいちしっくりこず、一人の警官が『署長もシーバに拳銃を向けるのは辛かったでしょうね』と言いましたが、よく分からないので別段どうでもいいようにしか思えませんでした
他にも同僚の警察仲間や、武器庫のウェインやトーレスなども彼らの言葉の端々で色々な事情を感じさせますが、結局ほとんど一言二言の説明だけで終わってしまいます。
こういったアヤ以外のサブキャラ達の扱いがかなりぞんざいなのはいささか不満ですね。
もっとも、6日間という限られた期間内での話ということから、本編以外の部分にあまり時間を割くというのもおかしいのであえてそうなったのかもしれませんし、また操作できるのはアヤ一人だけなので、他のキャラ達が目立たなくなるのもしょうがないのかもしれませんが。
でもやっぱり欲を言うなら、もう少しこういったサブキャラ達にも光を当ててもよかったような気がします。
また、このゲームではストーリーはよかったが、演出があまりよくないような気がします。
これはムービーのことを言っているのではなく、イベントが起こったときの演出がどうにもさっぱりしていて、今ひとつ盛り上がりに欠けるシーンばかりな感じがするんです。
もちろんその演出はムービーによって補っているわけですが、それでもどうにもさびしい感が漂います。
たとえば警察署が襲撃されるイベントでは、どうにも緊急事態が起こったという様な気がせず、あまり気分的にも盛り上がりませんでした
もう少しゲーム的に緊張感が漂ってほしかったような気がします。
そういったせいか、どうにもイベント毎にいろいろな場所へ振り回されているだけ、といった感じがしました。
このような部分をもう少し作りこんでほしかったですね。
ねずみ変身! 音といい映像といい、けっこうグロイです。


ここではRPGでおなじみの戦闘シーンについて。
現代が舞台なだけあって、使う武器は主に銃器類です。
戦闘シーンはスクウェアではすっかりお馴染みのATB(アクティブ・タイム・バトル)が採用されていて、プレイヤーはATBバーが溜まると、銃器での攻撃、アイテムの使用、パラサイトエナジー(いわゆる魔法。ゼロになると一定時間行動不能になる)の使用、装備の変更、バトルからの逃亡、などのコマンドが選択できるようになっています。
中でも面白いのが、ATBバーが溜まるまでの間をただの待ち時間にせず、プレイヤーはATBバーが溜まるまでの間、自由に移動ができるようになっているという事
よって、うまくいくとノーダメージで戦闘を終わらせることも出来ます。
また、このゲームでは敵に遭遇すると戦闘シーン用の画面に切り替わるというのではなく、フィールドでの移動画面がそのまま戦闘シーンになるので、同じ敵でも戦う場所によって戦い方が変わる、ということもあります。
このようにコマンド式の戦闘にアクションの要素が詰め込まれたこの戦闘シーンはかなり面白いシステムで、初心者だとレベルをじっくり上げて強くしてから進める、逆に上級のプレイヤーだとレベルが低くてもプレイヤーの腕でカバーする事が出来など、プレイヤーの実力にに合わせたやり方が楽しめるわけです。
しかし、面白いシステムなのは確かですが、これがやってみるどうにも練りこみ不足といった感があり、イマイチなものでした。
原因として第一に、なんといっても『プレイヤーの移動速度が遅い』。
これはフィールド移動のシーンでもいえる事ですが、このゲーム全般的に人物の移動速度がとても遅く設定されています。
基本的にはこういったリアル指向のゲームはキャラクターの歩幅にあわせた移動速度になるのが一番の理想ですが、どうにもこのゲームのキャラ達は実際の移動距離の半分ほどしか進まない。
特に歩いているシーンでよく分かるのですが、氷の上をツルツル滑っているような感じです。
またゲームでは『歩く』と『走る』を使い分ける事が出来るのですが、『歩く』はあまりにも遅すぎてゲーム中使う場所がまずありません。
それでも『走る』が速かったらよかったのですが、これまたかなり遅いです。
ちょっと他のゲームと比べるようですが、このゲームでの走る速度は『バイオハザード』シリーズの歩く速度と同じくらいでしょうか。少し極端かもしれませんが私にはそれくらいに感じます。
このようにプレイヤーの歩く速度が遅いので、戦闘中も走って移動しているのに敵の攻撃が避けきれないという事がしょっちゅう。
特にボスや後半の敵などは、攻撃範囲が広くて移動速度も速いので、ほぼ確実にダメージを食らう事になり、かなりイライラしました。
このように敵の攻撃が避けきれないので、後半辺りだとほとんど物量作戦になってしまいます。
ちなみに戦闘中にはパラサイトエナジーで移動速度をアップする事が出来ますが、はっきりいってこの移動速度がアップしている状態が通常の移動速度になっていたらよかったと思います
とにかく、この移動速度の遅いというのは致命的で、これが戦闘のバランスをかなり崩しているといっても過言ではないかもしれません。
第二の原因は、『戦闘中のバトルフィールドが狭い』という事です。
特にメモリ上の制約からか、戦闘中には見えない壁が出来、ひとまず離れて体制を整えようと思っても見えない壁にぶつかってしまい離れる事が出来ない。
その上ボス戦などは、ボス本体がかなり大きい上、移動できる範囲も狭いので攻撃が避けきれない。これにはさすがに参りました。
第三の原因は敵の攻撃範囲の広さ1体多数の不利な状況並びにプレイヤーの攻撃の隙の大きさなどです。
敵の中には画面上を高速で大きく動き回るヤツ、弾を3方向に打ち出すヤツ、攻撃範囲がほとんど画面全体という理不尽なヤツなど、ただでさえ狭いバトルフィールドにこのような攻撃範囲の非常に大きいモノが多数あり、これまた避けるのが非常に困難
また戦闘は基本的に一体多数で行われるので、多数とのバトルは不利この上ないです。
プレイヤーは攻撃時には必ずその場で停止してから攻撃を繰り出しますが、一度に攻撃できるのは一体のみで、攻撃モーションの終了まで完全に動けません。
しかし敵は攻撃を受けている敵以外は常に動きつづけている。
これがどういう結果になるか。
一体の敵を攻撃している間に他の敵に攻撃を食らう。
そして攻撃を受けてひるんでいる間にさらに別の敵の攻撃をまた食らう。
仕方ないのでとりあえず一体だけでも先に倒してしまおうと思っても、他の敵の攻撃が激しすぎて思うように攻撃できない。
せめて攻撃モーション中にも移動出来たら、と思います。
このように攻撃範囲の広い敵が多数登場し、プレイヤーの攻撃時には隙が大きい、またバトルフィールドは狭く、プレイヤーの移動速度は遅い。
泥沼です。
戦闘シーンではこういった作り込みの甘さが目立つせいか、一回目のプレイでの戦闘はいきなり敵の攻撃を次々と受けまくって死ぬといった事がしばしばあり、かなりイライラさせられる事が多かったです。
とにかくこれらがもう少しよく改良されていれば、戦闘シーンももっと面白いものになったかもしれません。
また、エンカウントに関しても少々問題ありです。
元々6日間という限られた時間内での話なので、無駄な戦闘を極力排除しようと思ったのか、一応普通通りに進めていくとクリアは可能になっています。道中はエンカウント率もそこそこ。
しかし、一度イベントの終了した場所になると、敵とのエンカウント率が極端に下がってしまい、なかなか敵と出会う事がありません。
例としてセントラルパークのイベント終了後、再びそこに行くと一人の警官が『中はクリーチャーでいっぱいです』というような事を言うので、ここで少し敵と戦ってレベルを上げていこうと思っても、ほとんど敵と出会いません。
ぐるっとセントラルパークを1周(約15分ほど)しても、行う戦闘回数はせいぜい2、3回
まずは余裕のある場所で十分に成長させてから次に進む、というような堅実な方法があまり通用しないようになっているのがツライ。
なまじ斬新なアイデアを採用している戦闘なだけあって、なんとも残念。
戦闘シーン。 この半円がアヤの攻撃の射程距離です。


このゲームでの強さは通常のRPGと同じく武器、防具とレベルアップによって強くなっていきます。
ですが、かなり自由度の高い強化システムを取っているのが特徴です。
まず装備についてですが、武器、防具は店などで購入する事は出来ず、主にフィールド上に点在する『箱』(現代を舞台にしているので『宝箱』という表現はちょっと変かと思って)、あるいはボスクラスの敵から手に入れます。
ちなみに武器は実在の銃器の名前が使われています。
武器はタイプに毎にそれぞれ特徴があります。

 ハンドガンタイプ
全般的にバランスの取れた武器。撃つまでの攻撃モーションがわりと速く、連射もそこそこ効くので扱いやすい。

 マシンガンタイプ
攻撃モーション、連射速度共に非常に早い。が、射程が短く、威力も連射数に比例して弱くなる。弾の消費が激しい。

 ライフルタイプ
射程範囲が非常に広い。しかし攻撃モーションが多少遅めで、接近戦には向かない。

 ショットガンタイプ
弾が広がるという特殊機能を備えているので、大量の敵をまとめて攻撃できる。攻撃モーションは速くもなく遅くもなくといった所。装弾数はちょっと少なめ。

 グレネードランチャータイプ
火炎や冷凍など、いろいろな追加効果がある。射程も意外と長い。しかし攻撃モーションが遅く、また装弾数も少ないので扱いづらい。

 ロケットランチャータイプ
装弾数は一発のみで、攻撃モーションも非常に遅い。しかし射程範囲がかなり広く、威力も抜群に高い一撃必殺の武器。この武器のみチューンアップは出来ない。

もちろんこれはあくまで基本的な特徴で、同タイプでも武器毎に性能に差があります。
武器には本来の性能を示した基本パラメータと、後から追加する事が可能な追加パラメータがあり、追加パラメータには基本パラメータへ数値を上乗せする上乗せパラメータ、そして二連射、三連射、ダブルコマンド、火炎効果、強酸効果、催眠効果、ランダムショット、アイテム所持数アップなど、その武器特有の特殊機能があります。
防具も基本パラメータ、追加パラメータがあり、基本的に武器と同じです。
この追加パラメータはアイテムの『ツール』を使う事により移動する事が可能で、これによりプレイヤーの好みに合わせて武器のカスタマイズが出来ます。
しかし『ツール』を使って追加パラメータを移動した場合、移動元の武器は消滅するので、よく考えて武器のカスタマイズをする必要があります。
これがなかなか面白いシステムで、私などもパラメータをどのように移動するのがいいかなどと長時間悩んだ事もあります。
ただ、パラメータの移動を間違ってしまったときの悲惨さはかなりのものですが……。
もう一つの強化要素、レベルアップについてですが、これは一般的なRPG同様に敵を倒す毎に経験値が貯まり、一定値でレベルアップ。
レベルアップすると基本的なステータスアップの他にいくらかのボーナスポイントが手に入り、これをATB速度アップやアイテム所持数の増加、武器や防具の上乗せパラメータのアップなど、さまざまなステータスに振り分けて、プレイヤーの好きな様にパワーアップさせる事が出来ます。
これまたかなりいい感じで、プレイヤーキャラが多数ではなく一人しかいないこの手のゲームでは、常に決まった成長の仕方をするよりも、このような多様に成長するシステムの方がいいかもしれません。
ただ、この武器や防具のパワーアップシステムですが、ゲームの舞台が現実世界で武器も実在する物を採用しているせいか、このような武器のパラメータ移動やパワーアップがあるというのはかなり非現実的で、リアル指向が好きな方にはちょっと受け入れられないかもしれませんが。
実際、強酸効果のあるショットガンとか、装弾数10発のグレネードランチャーとかはどうにも違和感あり。
まあそう割り切ってしまえばどうって事はないのですが。
ミトコンドリア、これがこのゲームの趣旨となっています。


次にプレイ中のグラフィックについてですが、キャラクターの等身は8頭身で足が長くかなりスタイルがいい
しかしモデリングは少々荒く、顔などのテクスチャはのっぺりとしていてあまり綺麗ではありません。
しかしながら、これはあくまでキャラの顔をアップで見た時の話で、このゲームではプレイ中のキャラがアップになるシーンなどはほとんどなく、そういった顔のアップなどは主にムービーで現れます。
基本的なゲームの視点は遠めで、顔の造形などはほとんど見えることはなく、ここらへんはあまり気になるところではないでしょう。実際プレイ中のゲーム画面でのキャラクターは結構綺麗に見えます。
ただ、このように遠目のアングルが多い分、ゲームのキャラ達が妙にチマチマした印象があるのも事実。
実際戦闘シーンなどはキャラが小さめになってるので、あまり迫力というものは感じられません。
しかしその反面、遠目の視点という事からか、敵キャラやプレイヤーキャラ達が妙に細かく動くなあと感じる事もあります。
一長一短といった所ですか。
もうひとつ。ゲーム中で必要不可欠となる『鍵』などのアイテムが、グラフィック的にも全然目立たない引出しの中にあったりするなど、非常に不親切な部分がいくつかありました。
またプレイ中のグラフィックで少々不満に感じたのは、ステータス表示が小さく、またダメージ表示も小さく表示されるだけなので、いまいち分かりづらいという事。
特にダメージを受けた時や与えた時の数値の表示がかなり小さいで、10を70に見間違えたりもします。その上プレイヤーのHP表示も小さく、またHPの残量が少なくなったときには単に数字が赤くなるだけなので、いつのまにかHPほとんど無い状態という事もよくあります
デザインはいいのですがもう少し見やすくしてほしかった。
ちなみに戦闘シーンでは自分の攻撃範囲がワイヤーフレームの半円で表示されるのですが、これが妙にカッコイイ。個人的に好きなシーンです。
戦闘シーンその2。 時にはこのように狭い所でも戦います。


このゲーム、一度クリア後のセーブデータを使うと、いわゆる二週目であるEXゲームというのを開始する事が出来ます。
EXゲームではいくつかの新要素が追加されます。
まず、前回クリアしたときに装備していた武器、防具、そしてウェインに預けているアイテム類がそのまま持ち越せるようになる事
ほとんどの場合クリア直前には武器、防具はかなり強いものを装備していたはずなので、必然的に二週目は一週目よりも簡単になりますね。
そして一日が終わったときにもらえるボーナスポイントが一週目よりもはるかに多くなる事。これはうれしい。
そして最後は『クライスラービルディングという場所へ行けるようになるという事
この『クライスラービルディング』は、いわゆる77階建てのダンジョンみたいなもので、最上階には本編とは違うラスボスが待ちうけていていて、こいつを倒すとエンディングです。
ちなみにこのエンディングは2へと続く布石みたいな感じになっていて、言うならもうひとつのエンディングということですか。
10階でワンセットな感じになっていて、敵と戦いながら一階ずつ上がっていき、10階ごとに待ちうけるボスキャラの持っている鍵を手に入れると、一階から今現在いる階までをエレベーターでの移動が可能になります。
そして各階には必ず部屋が一つ存在し、その部屋の中には珍しくて強力な武器や防具、銃のトレーディングカード、他にいろいろなアイテムが手に入ります。
さて、私はこのビル、3週目にてやっとクリアできました。
感想としては異常なまでに難しくて、その上つまんないので二度とやりたくないといった感じです。
はっきり言って『もう一つのエンディングが見たい』、という執念だけでクリアしたようなものです。
なぜかというとこのダンジョン、1階から70階まで延々と同じ風景が続いているだけその上広い
探索してて眠くなります。私は二度ほどプレイしながら眠ってしまいました
一応入る度にランダムでマップが変化しますが、こんだけ広くて同じ風景が延々と続くなら、道が決まっていようがランダムだろうがどうでもいいです。道を覚えるよりも壁伝い歩きの方が効率いいし
各階には珍しい装備やアイテムが手に入るのでそれ目当てでやろうという事も出来ますが、それ以前にその装備やアイテム類がないと絶対に最後まで辿り着けません。各部屋を巡るのは必要不可欠というわけです。
その上たまったアイテムを保管するためにいったん引き返そうと思っても、10階分上がってボスを倒さないとエレベーターの鍵が手に入らず、途中で戻りたいのなら今来た長い道のりを一階ずつ再び引き返さなくてはならないというトドメ付き
もちろん一旦引き返したらまた再びその道のりを歩んでこなければなりません。
まるで鬼のような仕打ちです。
そんなわけですから、一旦このビルに入り込んだら少なくとも1時間以上はセーブ不可能
さらにそれだけにおさまらず、10階毎に待ちうけるボスキャラのケタ違いの強さ
10,20階くらいはまだ大した事ないのですが、30階辺りからボスが今までの雑魚キャラとは比べ物にならないほど段違いに強くなるので、死ぬ事しばしばです。
300や400のダメージなんて当たり前
特に10階分上がった頃には各部屋で手に入れたアイテムで持ち物がいっぱいになってるので、一旦戻って回復剤を大量に用意して……と思っても、長い道のりを再び引き返すハメに。
30階にいた4つに分裂するボスに二回ほど連続で殺された時には、本体に頭突きかましたくたくなりました
そして50階の卵を生む大きなゴキブリみたいなヤツでも二回死亡。
さらにまた70階の大きな蜂みたいなヤツにも二回死亡。
なまじ1時間以上かけてつまらないダンジョンを攻略してきた直後なだけあって、ムカツキ度も半端じゃありません
もしこのダンジョンが必ずクリアしなければならないイベントだったら、このゲームその場でやめてたでしょう。
とにかく、それくらい難しくてつまらなかったものです。
まあそれでも何とか気合で最上階まで辿り着き、ラスボスを倒しました。
ちなみに私が従兄弟に『クライスラービルディングクリアしたぞ』と言ったら、『おまえ異常』とかいわれました。
もちろんラスボスでも3回ほど殺されました。4度目のプレイでぎりぎりクリア。
はっきりいってコイツ強すぎ!
運がよかったとしかいいようがありません。
エンディングは結構あっさりめだったので拍子抜けしましたが、スタッフロールがイラスト入りで綺麗だったのと、やっとこのダンジョンおわったといううれしさもあってか、妙な達成感がありました。
もう二度とする事はないでしょうね。このダンジョン。
それ以前にやりたくありません
ところで余談ですが、『クライスラービルディング』ではレアな銃のトレーディングカードが大量に手に入ります。
これをウェインの所に持っていくと、武器や防具の改造をしてくれます。
合計10回武器を改造してもらうと無限にツールが使える『ツールキット』が、14回改造してもらうと無限に万能ツール(パラメータを移動しても武器がなくならない)が使える『万能ツールキット』がもらえます。
また同じ戦闘中にパラサイトエナジーを使いすぎると、パラサイトエナジーの回復速度が非常に遅くなるのですが、途中で装備している防具を変更すると回復速度は元に戻ります
私はこのやり方のおかげでクリア出来たようなものです。
ミトコンドリアが反応するシーン。映像のクオリティがスゴイです。


さて、ここでははっきりいってどーでもいい所だけど、なんかツッコミたい衝動に駆られた場所がいくつかあったので、ピックアップしてみました。
別段大して気にする程の部分でもないんですがね

中盤で登場する前田という科学者、初登場時には通路を封鎖している警官達に『まいったな、科学の用語とは勝手が違う』と、うまく英語が話せず、辞書を引きながらしどろもどろに話している状態。
その内、警官の一人が発火現象により燃えてのたうちまわります。
今のうちですね』とその隙を付いてニューヨーク市内に向かう前田さん。
おいおい、人が一人火だるまになってるのに助けてやらんの?
そしてその後、前田さんはアヤやダニエルと出会います。
何の違和感も無く普通に話してます。
前田さん、人体発火現象を見たショックで英語が上達したんですか?

アヤとダニエルがアメリカ自然史博物館にあるクランプ博士の研究所に行った時、ダニエルは何気にクランプのコンピュータのリストを覗く。
するとそこにはベンやロレーンといったセントラルパークで行方不明になった人たちのリストが。
怒ってクランプの胸倉を掴むダニエル。『貴様、一体これは何だ!
平然と答えるクランプ。『離したまえ。答える義務は無い
彼を放すダニエル。『くっ!
あのーダニエルさん、大勢の行方不明者たちのリストがそこにあるんだから、このリストと彼は事件に関係大ありじゃないんですか?
その上クランプに皮肉たっぷりな嫌味まで言われる始末。
さらにまた、ニューヨーク全土に避難命令が出てるんだから、彼をパトカーで避難所まで連れて行かなくていいんですか

RPGには必要不可欠な要素である宝箱。ゲームなんであって当然なんですが、やはりここはツッこみたくなります。
何でカーネギーホールやセントラルパーク、博物館、果ては病院や下水道にまで銃器や弾丸の類が入ってる箱が置いてあるの?

ゲーム中、イヴの行方を追っているうちにアヤは下水道でセントラルパークで行方不明となった人達とおぼしき、巨大なスライム状の生物を発見します。もうすでに原型はとどめていず、なにやら今にもアヤに襲いかかりそうな危険な感じです。
アヤは拳銃を向けて様子をうかがいます。
アヤさん、そんな巨大な生物に拳銃を向けて何になるっていうんですか?
以前にもイヴに発砲したのにほとんど効かなかったの知ってるはずなのに。

ゲーム中、キャラクターは3Dポリゴンで表現されてますので、歩いたり走ったり憤慨したりなど、いろいろなモーションがリアル。
でも、後ろ向いたりする時に、その場で足踏みしながら回転するのはなんとなくマヌケ
方向転換時にはせめて首くらいは動かしてほしかった。

警察犬シーバがクリーチャーに変身し、アヤがそれを始末した時。
署長、肩の辺りを押さえてました。
あんなデカくて強そうな怪物相手に、よく自力で立ってられる程度の怪我ですみましたね

私はこのゲーム、スタートからクリアまで一度もトイレらしき場所を見かけませんでした
警察署やカーネギーホール、病院や自然博物館に至るまでただの一ヶ所も。
もしかしてここはニューヨークに似たパラレルワールドですか?


とまあ色々書いてきたわけですが、私の言いたい事はこんな所です。
他のに比べてかなり文章量が長くなっちゃいました。
面白いアイデアを採用した戦闘シーンやなかなかいいストーリーなど、個人的には好きなんですが、なにぶんいろいろな不満点があるのも事実。
なかなかすばらしいゲームになる可能性を持っていたにもかかわらず、練り込み不足でイマイチなものになってしまったのは本当に残念ですね。
ちなみに2がこないだ出たので購入しました。
近い内に2作目のレビューも書く予定。


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