三国時代を舞台に撃ちまくれ!
タイトルだけみると至極三国志っぽいゲームに見えますな。 武将の顔もわりとシブいし。 キャラクターセレクトだ。 好きな武将を選択して暴れるのだ!


臥竜列伝


データイースト アーケード


 ストーリー
古代中国、群雄割拠真っ只中な三国志時代。
芙蓉姫が、呂布率いる悪の軍勢に囚われてしまった。
彼女を救出するべく立ち上がったのは、劉備、関羽、張飛の3英雄。
中国大陸を舞台に、悪の軍勢相手に大暴れしつつ、彼らは芙蓉姫のとらわれている長安を目指す。

ステージ1。万里の長城。 てかここって戦争には使われなかったはずじゃ…? 張飛の斧が空を裂く! 敵も負けじと鉄アレイ(?)で攻撃! にしても敵のサイズちっこいですな。

突然ですが、三国志を題材にしたアクションゲームというと、どんなものがあるでしょう。
代表的なのは、『天地を喰らう』シリーズ、『三国無双』シリーズ、『三国戦記』あたりでしょうか。
このタイプのゲームは、コーエーのシミュレーションゲーム『三国志』シリーズのように、複雑なゲーム性や三国志という歴史の深みなどはほとんどありません。
その代わり、アクションゲームということから、おおよそは格闘アクションになっていて、武将の一人を操作して敵をバッタバッタと殴り倒し斬り倒していくというもの、つまり歴史や伝記としての三国志を感じることはあまりないものの、有名な猛将や武将を操作して敵兵をアチョアチョなぎ倒していくという、剛健さ、勇猛果敢さ、豪快さ、爽快さ、カッコよさを大いに味わえるゲームとなっています。
しかしながら、一人で敵を倒しまくるアクションゲームという宿命からか、ゲームの内容そのものは非常に面白いながらも、マジメに三国志を再現しようとしている戦略シミュレーションゲームに比べ、設定はかなりブッ飛んだものが多いです。
そのためか、この手のゲームは三国志モノとしてみた場合、『こんなの三国志じゃねぇ!』といわれる事も少なくなかったりします。
しかし、甘い。
まだ甘いです。
原作からしてスゴイ内容だったのを見事にゲーム化した『天地を喰らう』シリーズや、一人で千人の兵士に匹敵するといった三国志でよく使われる言葉を本当にゲームでそのまま再現した『三国無双』などもかなりとんでもないゲームといえますが、しかしこの『臥竜列伝』の前ではまだまだ十分に三国志してるゲームといえます。
本当にブッ飛んでるトンデモ三国志ゲームというのは、この『臥竜列伝』の事を言うのです。
ステージ1からもうドラゴン出現。 いきなり三国志から離脱してます。 ステージ1ボス、清波。 てか三国志にこんな武将いたっけ?

『臥竜列伝』、ひらがなで書くと『がりょうれつでん』。
登場は1987年。
メーカーはデータイースト。
そう、『ヘンなゲームならまかせろ!』でおなじみの『デコ』です。
そんなメーカーの作るゲームですから、絶対まともな三国志ゲームでは終わってません。 というか異常な三国志ゲームといった方がしっくりきます。
ゲームの内容はアーケードゲームらしくシンプルで、プレイヤーは劉備玄徳、関羽雲長、張飛翼徳の3武将の中から一人を選択し、敵を倒しつつ先に進んでいくというものです。
敵は画面上から大量にわらわらと登場するので、劉備なら小刀を投げて、関羽なら弓矢を射て、張飛なら斧を投げて敵を撃退していきます。
そして画面上方向に進んでいき、最後に待ち構えるボスに攻撃を撃ち込みまくって倒せばステージクリア。 次のステージに進めます。
さて、ここまで説明すればもうわかるでしょう
そうです、
このゲームはシューティングゲームなんです。
三国志のクセにシューティング
……なんでやねん。
三国志を題材にしたゲームは数あれど、シューティングゲームになっているのはおそらくこの臥竜列伝以外はないでしょう。 てかあってたまるかい。
ジャンルからしていきなりムチャすぎるぞ、さすがデコ。
他のメーカーでは出来ない事を平然とやってのけてくれます、そこにシビれる、あこがれるゥ。
この時点ですでに他の三国志ゲームをブッちぎりに超越した奇怪キテレツな三国志ゲームといえますが、しかしこんなのはほんの序の口。
まだまだこのゲームには楽しい(?)トンデモ三国志要素がいっぱいです。
二人同時プレイも可能だ。 張飛と劉備で暴れまくれ! これがマップ画面だ。 このゲームでは時計回りに中国大陸を横断するのだ!

操作系統は1レバーに二ボタンで、ボタン1はもう言わずもがなショットボタンになっており、そしてボタン2は、ボム。
プレイヤーの周りに円状のオーラが出現し、それが放射状に爆発して全方向の敵に大ダメージを与えます。
……何で三国志の世界なのにボムがあるんだよ
しかもストレートにオーラが爆発するボムだし。
せめて天地を喰らうのメガクラッシュのように、ボムを策略の一種として使うとか、そういう他の要素に出来なかったんでしょうか。
プレイヤーの攻撃ですらこれだから恐ろしい。


さてゲームの内容はというと、二人同時プレイ可能な、非強制型の縦スクロールシューティング。
プレイヤーの攻撃は前方固定ではなく、8方向に撃てる全方位型のショットとなっています。 システム的には、ガントレットなどに近いですね。
プレイヤーはライフ+残機制で、3回攻撃を喰らうと1ミスとなります。
ショットはPボタンを取る事によりパワーアップ。
パワーアップすると劉備の小刀は炎の刀になり、関羽の矢は炎の矢となり、張飛の斧は炎の斧となります。
ただ、パワーアップは同社の『ダーウィン4078』や『アクトフェンサー』のように時間でパワーダウンしてしまうのがちょっとツライです。
双頭トラさんが横断します。 ちゃんと徐行してね。 なぜかガーゴイルらしきモノもまでいる。 本当にここは三国志時代なのか〜ッ!?

他に、このゲームではカプコンの『ガンスモーク』のように、馬に乗ることも出来ます。
馬に乗っている間はプレイヤーはダメージを受けませんが、しかし馬にはプレイヤーとは別にライフが存在し、一定量のダメージを受けることで馬を失ってしまいます。
ちなみに馬のダメージは道端に落ちているニンジンを取る事によって回復させる事が出来ます。
ニンジンは道中それなりに落ちているので、上手く使えば馬を失うことなく戦い続ける事も可能です。 この手のゲームではこういう乗り物系のアイテムへのダメージ回復手段はないのが普通ですが、そういう面からすれば割と行き届いているシステムといえましょう。
しかしながら、馬に関してはこのように行き届いた気配りがあるのに、肝心のプレイヤーキャラのライフを回復させる手段がないというのは一体どういう了見か。
ステージクリアしてもライフは回復しないので、結局のところ一発も喰らわないようにするしかないという。
乗り物である馬には回復手段があるのにプレイヤーにはないとは、なかなかにフザけとります。
やっぱり出ました、カルノフ! コイツってデコのイメージキャラクターでしょ、もう。 ステージクリア。 救出作戦のはずなのに、どうして征服なんてしてるんですか?

そしてキャラ設定もすさまじいです。
このゲームの目的は呂布にさらわれた芙蓉姫を助けることですが、とりあえずデモが面で出てくる呂布の絵が怪しすぎる。
どこぞの仮面舞踏会あたりに出てきそうな奇妙な仮面をかぶった男で、そいつが芙蓉姫に向けていやらしそうに両手を突き出しているというポーズだからたまらない。 ボスの威厳を見せ付けるデモ画面なのにそんなんでいいのか。
呂布といえばわりとカッコいいイメージが付きそうなものですが、ここに出てくる呂布はカッコいいイメージの微塵もありません。 むしろヤバい。
さすがデコ。
そんな奇怪な呂布率いる悪の軍団だからなのか、ゲーム中に登場する敵キャラもクレイジーなヤツらばかりが出揃ってます。
弓をいてくる兵士はまあまだまともとしても、岩を投げてくる兵士、鉄アレイらしき物体を投げてくる兵士、雲に乗って爆撃かましてくる仙人、双頭の虎、巨大な竜、ガーゴイルみたいな緑の妖怪、馬の5倍はありそうな巨大カエル、これまた馬の5倍はありそうな巨大蛾、中華灯篭風UFOなど、明らかに三国志を超越してるヤツらばかり。
挙句の果てには同社のゲームでおなじみのカルノフなんかも出てきたりする始末、しかも最初の敵として。
……どんな三国志の世界だ
しかもこれだけ多彩な敵が登場する割に、三国志でおなじみの曹操とか夏候惇とか張遼といった有名な武将は一切登場しません。 その代わりに『老楚空』(ロウソク?)とか『羅典』(ラテン?)、『司馬紀』(しばき?)といった聞いた事もないようなフザけた名前の武将が登場します。
そんなんでいいのか。
三国志じゃなくむしろ封神演技とかにしてもよかったのでは。 ちょうど仙人なんかも出てるし。
そもそもなぜにこの内容で三国志にしようと思ったのかが謎ですな。
もうなんというか、イイカゲンというか、ヤケクソというか、デコテイスト満載というか、とにかくそんな雰囲気がプンプンな感じのゲーム。
まったく持ってなんというか、すばらしい…もとい、ヘンなゲームです。
そこらへん抜かりないくらいデコしてますな。
ボム発動! 三国志でボムを使う発想もすごいが、その上の巨大蛾もすごいぞ! 劉備の前に立ちはだかる巨大カエルと雲に乗った仙人。 はっきりいって異様な光景です。

とにかくキャラから設定からシステムからイイカゲンな三国志ゲームといえるこれですが、ゲームとしてもどことなくそういう感じが現れてます。
いやぶっちゃけ、あんまり出来はよくない、と。
例えば自機の移動スピードに比べてスクロールが極端に遅かったり、ショットの方向固定が出来なかったり、その割にあらゆる方向から敵が出てくるので異様に攻撃が当てづらかったり、さらに攻撃判定も当たり判定も小さいので攻撃がさらに当てづらかったり、そして前述のようにプレイヤーのライフ回復手段がなかったりなど、ゲームの基本的な部分にちょいと問題ありで、バランスは悪いです。
オマケにコンティニューもないときたもんだ(二人同時プレイなら終盤以外は途中参加可能)
せめて、ショットをもう少し撃ちやすくしてくれれば…と思ったものです。
敵はわらわらと出てくるうえにプレイヤーに向けて撃ちまくってくるのに、こちらはいちいち敵の方向に向き直って連射しなければならないからきつい。
ただ、なんでも話によると、このゲームは開発バージョンではループレバー系の操作に対応するつもりだったためか、こういうシステムだったんだとか。 んで、発売時になるとなぜか通常の操作方式になってしまった、と。
なるほど、たしかにこのゲームの操作感はどことなく『怒』系のゲームに通じるものがあります。 同社のループレバーゲームで言うなら、魔境戦士ですか。 グラフィックなんかモロに魔境戦士だし。 多分スタッフ同じなんでしょう。
でもどうしていざ発売するときにはレバー+ボタンという操作方法に変わったんでしょうね。
コストの問題でもあったのかな。
それはともかく、難しくバランスのきついゲームでした。
ムチを使う女性敵キャラもいます。 わりと強い。 なんだかいやらしい手つきの呂布。 ラスボスの威厳ナシですな。

というわけでざっとこのゲームの紹介をしたわけですが、どうでした?
まさにハチャメチャ三国志というにふさわしいゲームでしょう。 ていうかプレイヤー武将と呂布と舞台以外で三国志してる要素を探す方が難しいのではないかと。
とにもかくにも、トンデモないゲームでした。
中国灯篭風UFOが劉備と関羽を襲う。 てかコイツ何者なんですか、いやマジで。 戦いは熾烈を極める。 こらそこのジジィ!画面右で呑気に釣りなんかしてんなよ!

私がこのゲームをプレイしたのはただ一箇所だけでした。
小学校の頃、近所のおもちゃ屋(『闘いの挽歌』のレビュー参照)に入荷したのを、そこそこプレイしました。
もっとも、このゲームよりも、その両隣にあった熱血硬派くにおくんや戦いの挽歌の方がはるかに面白いゲームだったので、プレイしまくる、というほどはやらなかったんですが。
それに、三国志に興味を持つ…というか持てるほどの年齢でもありませんでしたしね。 というか仮に興味があったとしても、このゲームを三国志のゲームとして見れたかどうか…。
またゲーム自体も他の2つに比べて人気が薄かったみたいで、1ヶ月くらいで他のタイトルに変わってました。
ただ、1面のBGMだけは妙にノリがイイ感じだったためか、いまだに鼻歌で歌えたりします。
ちなみに上で書いたように、このゲームのタイトルは『がりょうれつでん』と読むんですが、しかし当時のガキンチョな私に『臥』なんて難しい漢字が読めるはずもなく、当時の私はこのゲームを『きょじんりゅうれつでん』と思ってました。 一応、あの頃でも『竜列伝』という字はかろうじて読めたんですね。
まあ確かに、字だけ見たら『臥竜列伝』と『巨人竜列伝』は似てますしねぇ。
でもあの頃のわしよ、『きょじん』はねぇだろ『きょじん』は…。
ボス『しばき』登場。 三国志らしからぬ軽業、分身の術を使ってきます。 とりあえず蹴散らせ!

2004年7月4日


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