火ダネを消せ!
タイトルの右にいるのがわれらがガズラーです。 だれだ!青いニコチャン大王だなんていってるのは! 火ダネを消せ! これだけでもうゲームの目的は分かりますな。


ガズラー

テクモ(テーカン) アーケード


ガズラーは1983年に登場した固定面タイプのアクションゲームです。
昔のゲームらしく内容はいたってシンプルで、主人公『ガズラー』を操作して、敵を避けつつ画面上に4つ存在する赤い火ダネを消化するだけです。
そして4つの火ダネを全て消すとクリアとなり、次のステージへ。
ちなみにタイトルの上に書いた『火ダネを消せ!』というメッセージはこのゲームのキャッチコピーなんですが、コレだけでどういうゲームか分かってしまうあたり、このゲームの単純明快さを良く表現していますね。
ただ、ゲームの内容こそシンプルなれど、割と面白いアイデアを採用したゲームだったりします。
水を吐く! いっとくがゲロじゃないからな! 面をクリアするとなぜか咲き乱れる花。 家事から花を守ったということなんでしょうか。

ところで、昨今のゲームといえば、基本的にそれなりに凝ったバックストーリーや設定があったりするものです。
がしかし、この頃のゲームはというと、はっきりいってアイデア先行で作られているものが多かった(というか大半がそういうのだった)ため、ストーリーや設定などは取ってつけたようなものだったり、もしくはそんなものなかったりすることは当たり前でした。
だからこそ、ビルを素手で登っていく『クレイジークライマー』や、ジャンプするワーゲンで世界を冒険する『ジャンプバグ』、得体の知れない生物が道に落ちているエサをひたすら食べまくる『パックマン』、足でハンバーガーを作る『バーガータイム』、追いかけっこしながらペンキを塗る『クラッシュローラー』、車から手が出て物を掴み取る『ジョイフルロード』、ピエロが穴掘ってリンゴ落としてさくらんぼを取る『Mr.DO!』などなど、今では考えられないような奇抜なシチュエーションのゲームや、ドコからそんなアイデアひねり出したんだよ的な突拍子もない内容のゲームが数多くあふれていました。
で、このガズラーもそんな『ヘンな設定』を採用したゲームの一つです。
ゲームの内容そのものはシンプルなれど、個性という点においては相当なもの。
前述したようにこのゲームのコンセプトは『炎を消す』という行為となっていますが、しかし普通なら、炎を消すという内容のゲームを作る場合、消防士を主人公にしたり、火事となった建物を舞台にしたりなどを考えたりするものですが、このガズラーはそんな常識的なものではありません。
『ガズラー』という得体の知れない生物を操作して、迷路内に点在する火ダネを『自分の体内にある水を放出』して消化するという、まったくもって奇妙な内容です。
そもそもそのガズラーという生物が何者なのか謎。 どことなくDr.スランプに出てくるニコチャン大王に似てる気もします。 ちなみにGuzzleという字は『がぶがぶ飲む』と言う意味なので、『水をがぶがぶ飲むキャラ=Guzzler』という図式になるので、名前はあながち間違ってはいないんですが、でもそりゃストレートすぎだろ。
それに、どうしてそんながぶ飲みガズラーが体内の水分を放出して火ダネを消さなければならないのかも謎です。
さらにはその火ダネから赤水黄などカラフルな火の粉(というよりも火の玉)達が出現してくるのも謎なれば、なぜ彼らがズラーに襲い掛かってくるというというのも謎。
どこを見ても謎だらけ。
火を消すという行為以外、まったくもって説明がつきません。
今じゃこんなの、『設定からキャラからわけが分からない、ナンセンス』という一喝のもとに、ヘタしたらクソゲー扱いされてしまいそうです。
でもこのゲームはこれでいいんです。
この頃はこんな突拍子もない設定やキャラのゲームでも当たり前のようにまかり通ってたし、そもそもプレイヤー達はそんなヘンな設定のゲームでもまったく気にせずプレイしていたんですから。
グラフィックも表現手段も貧弱だった当時は、キャラがどうとか設定がどうとかバックストーリーがどうとかいった付加的な情報よりもまずゲーム内容ありき、てな感じだったので、設定や内容がいくら珍妙だろうが、とにかくゲーム自体が面白ければそれでよかったんですよね。
それに、今のように凝ったストーリーや設定にゲームが縛られるということがなかった分、むしろこの頃のゲームの方がシンプルながらのびのびとアイデア溢れる個性的なはっちゃけたゲーム性を持っていた、といえないこともないですし。
体内の水が減ると飛距離が落ちるぞ! 体内の水は少量。 早く水たまりで補給すべし。

それに、ヘンな設定のゲームだからといって、ゲームそのものの出来が悪かったわけではありません。
このガズラー、設定はヘンなれど、そのヘンな部分を何気にかなり上手く活かしてたりするわけで、なかなか面白いゲーム性となっていたりします。
ガズラーは体内に蓄積している水を放出して火を消しますが、しかし当然、水を放出すればするほどガズラー体内にある水は減少し、3回放出すると体内の水はなくなってしまいます。
体内に水がたくさんあるときは遠くまで水を飛ばす事は出来、体内の水が少ないときは逆に飛距離が出なくなります。 水のたまり具合で飛距離が変わるわけですね。
といっても、水が少ない状態がまったくダメなのかというとそうとはいえず、体内の水が少ないときは移動速度が速くなるという利点もあります。
放出してしまった水はどうやって補給するのかというと、マップ上にいくつか点在する水たまりの水を飲む事で体内の水を補給します。
水たまりは小さいものと大きいものがあり、小さい水たまりでは一回分の水が、そして大きい水たまりでは3回分(MAX)の水が補給できるようになっています。 なお、水たまりの水は体内の水が満タンになってても強制的に全部飲んでしまいます。
また、水たまりの数には限りがありますが、しかし体内の水が空になっても一定時間すれば少量の水がたまるようになっているので、水たまりの水を全て飲んでしまったからといってハマることはありません。
このように、設定的には珍妙極まりなくとも、システム的にはそれを上手く活かしており、またなかなかにこだわりを感じさせるつくりとなっています。
そしてこの細かなこだわりがあるからこそ、ゲームは一筋縄では行かないようになっており、『水を吐いて火を消すだけ』というシンプルがゲーム内容ながら変化が生まれるようになっています。
体内の水を常にMAXにしておけば3回分は水を吐けるが、その分動きが鈍くなる。
体内の水が少なければ移動力は上がるがその分水の飛距離が出なかったり、水が吐けなくなる。
水たまりの水を飲めば体内の水を補給できるが、それには水たまりの位置まで行かねばならない。
体内の水の残量に関わらず、水たまりの水は全て飲んでしまう。
水たまりに行かずともしばらく待てば体内に水がたまるが、それには時間がかかる。
それぞれのシステムが上手く絡み合ってて、シンプルながらもけっこう面白いゲーム性を生み出しています。
このほかにも、火ダネから出てくる火の粉は色によって正確が異なってたり、時間が経つと火ダネが動き出すようになってたり、画面中央に出現する食べ物アイテムを取ると火の粉の動きが止まったりなど、ガズラー自身の特徴の他にも色々な要素が絡み合って、なかなかに多彩な展開を見せてくれます。
あと珍しいのが、ゲームオーバーになってもルーレットチャンスにて当たりを引くと一機(一匹?)エクステンドするということ。
ゲームオーバーになったときにコレでエクステンドをするとすごく得をした気分になります。
右上の水たまりで水を補給だ。 ゴクゴクという音が妙に気持ちいい。 ブレイクタイム。 巨大ガズラーが登場します。 ますますニコチャン大王にソックリですね。

ただ、ゲームそのものは見た目よりも難易度は高いです。
火ダネを4つ消化するだけでステージクリアとなるため、ゲームの展開は非常にスピーディーですが、しかし火ダネからは火の粉が無限に発生し、またその火の粉の動きもかなり速いので、見た目よりもこれが難しい。
火ダネが一つでも残っているとそこから次々と火の粉が発生するので急いで消火活動をしなければならず、ちょっとでも躊躇しようものならあっという間に大量の火の粉に囲まれるてしまうというハメに。
その割にガズラーは水を吐ける回数に制限があるため、いつでも水を吐いて攻撃するわけには行かず、適所適所にて水をはいていかねばならない。
また、火の粉相手に水を吐きまくっていると、火ダネを消すのに水が足りなくなる事も。
適当に動き回っているとすぐに水が尽きてやられるので、とにかく必要最小限かつ安全なルートを通って迅速に火ダネを消化しなければならないのですが、出てくる敵の数が多い上に水を吐く&補充するペースよりも敵の増えるペースの方が早いため、これがとにかくキビシイ。
思ったよりも難しいゲームです。
ゲームオーバー時のルーレット。 コレを当てて一機(一匹?)増やすのだ! 水たまりは下、火ダネは上に集中しているため、相当難しいステージです。 ぼやぼやしてると火の粉が大量発生するし。

とまあこのようにここまで数千文字ほど大量に書いてしまいましたこのガズラーというゲームですが、実のところ、私自身はそこまでやりこんだわけではなかったりするんですよね、コレが。
当時は、そうですね、デパートのゲームコーナーや旅館のゲームコーナーにて、おおよそ数えるほどしかプレイした事なかったかな。 お金がなかったし、そうそうプレイさせてもらえなかったし。 まあその分、他人のプレイを横や後ろで堂々と見るという、俗に言う『お子様行為』(笑)はよくやってたものですが。
ただ、プレイそのものの回数こそ少なかったですが、しかし印象には強く残っていたゲームです。
お子様行為にてプレイせずともゲーム画面を見まくれたというのもあるでしょうが、しかしそれ以上に、水たまりの水を飲んで水分補給といった行為や、水を吐いて火を消すといったゲーム内容が、とにかく当時の私には非常に面白そうに見えてたんですよね。
当時、私は何かに火をつけてそれを水で消すという、一種の『火遊び』ともいうべき遊びを何度かやって親に怒られてたものです。
子供が火遊びをしたがるのは、親が『危ない』ということで近づかせようともしない、得体の知れない『火』という不思議な物体を観察したり扱ったりするのが楽しいから、というのがよくある理由ですが、当然私もそんなところに楽しみと好奇心を見出していたので、火遊びをたまにやったり、それによって叱られたりしたものです。
で、そんな私のやっていた『火に水をかけて消す』という『火遊び』な内容を、『ガズラー』は見事にゲームとして具現化していたわけで、したがってこのゲームはとにかく『面白そう』という印象を私に植え付けたんでしょうね。
実際、このゲームをプレイしてた時は、『火を消す』という行為が楽しかったものです。
また、ゲーム中には水を飲んで水分補給という描写も、子供が好む水遊びの要素も含んでいたので、それがさらに面白さを上乗せする形になっていました。
といっても、あの頃はまだガキンチョだったので、ゲームそのものはまともにプレイできるほどではありませんでしたけど…。
プレイできる機会も少なかったし、そもそも頭を使った戦略的なプレイなんぞ当時の私に出来るはずもありませんでしたし。
ちなみに、あの頃はこのゲームが『ガズラー』と言う名前だったと言う事は知らず、『水はきゲーム』と呼んでました。
まだ幼かったので、ゲームのタイトルをまともに覚えられなかったんですよね。 タイトル自体も英語で書かれてるものがほとんどだったので読めませんでしたし。
とにもかくにも、プレイこそはしませんでしたが、思い出深いゲームでした。
ガズラーの水は空だ! ピンチ!

2004年4月5日


戻る