うるさいので、アピール度満点なゲームでした

功夫老師

ナムコ アーケード


『功夫老師』は、1987年だったかな、それくらいの時期にあったエレメカ(用語辞典参照)です。
内容は功夫老師の音声の指示に従って前後左右のボタンを押していくだけと至極シンプルで、感覚としてはフラッグゲームなどに近いでしょうか。 ただ、ゲームスピードは相当速く、反射神経養成ゲームとも言われていました。
ビデオゲームではありませんし、プレイも数えるほどしかした事ないのですが、しかしいまだに忘れる事の無いゲームとして、私の記憶の中にいまだに根強く残っているゲームです。


このゲームがあったのは、香里園という駅のすぐそばのゲームセンター『アンデス』。
今ではすっかりきれいに改装されてしまいましたが、しかし当時はちょっと来たなめで雰囲気も暗い場所でした。
そんないかにも昔ながらのゲームセンターというちょっと暗めな感じだったんですが、しかしほとんどのゲームが1プレイ50円と安く、また店の前で100円8個(後に7個になった)のたこ焼きを販売していたりもして、金のない小学生だった私にはなかなか楽しい場所でした。
もっとも、店の内部は少し暗めでいかにも昔のゲームセンターといった雰囲気であり、また筐体のメンテナンスもあまり良くなかったそこは、他のゲーマー向けゲームセンターよりも質としてはあまり良くなかったと思いますが。
しかし、ダライアス、ニンジャウォーリア−ズ、ナイトストライカー、マーブルマッドネス、ギャラクシーフォース、メタルホーク、アパッチ3、ペーパーボーイ、コンチネンタルサーカス、X-MEN(コナミの3画面のやつ)といった出荷数が少なく全国的ににあまり出回らなかった名作大型筐体(一部例外有り)がなぜか入荷される事が多く、さらにはゲーム料金もほとんどが50円と良心的で、家からそれほど離れていない場所にあった事から、『アンデス』は私が最も良く通ったゲームセンターでした。
とまあ、ちょっと『思い出のゲーセン』っぽい出だしになってしまいましたが、ここからが本題。


その『アンデス』というゲームセンターにおいて、ひときわ異彩を放ちつつアピール度満点だったゲームが、この『功夫老師』。
なぜアピール度満点だったのかというと、とりあえず『やたらにやかましいゲームだった』からです。
このゲームはアンデスの入口前、つまり外の通路側に面したスペースに置かれていたのですが、実際にこのゲームをプレイする人はほとんどいませんでした。
しかし、プレイする人がいない間は、デモとして功夫老師が『ちょっとそこのあなた、あんただよ! ちょっと試してイカンかね!』と呼び込んで存在をアピールします。
で、その音声、繰り返されるサイクルが短すぎ!
おおよそ十数秒に一回のペースでこの音声が流れます。

『おおい! ちょっとそこのあなた、あんただよ! ちょっと試してイカンかね!』

十数秒後

『おおい! ちょっとそこのあなた、あんただよ! ちょっと試してイカンかね!』

十数秒後

『おおい! ちょっとそこのあなた、あんただよ! ちょっと試してイカンかね!』

十数秒後

『おおい! ちょっとそこのあなた、あんただよ! ちょっと試してイカンかね!』

うるせぇ!
しかもプレイする人があまりいないので、ひたすらこのジジイのたわごとが延々と繰り返される
オマケにその音声がゲーセンの内部にまで響くくらい大きいときたもんだ。
そんなわけですから、あのゲーセンの事を思い返すたびにすぐにこのゲームの音声が浮かびます。
『おおい! ちょっとそこのあなた、あんただよ! ちょっと試してイカンかね!』
良し悪しは抜きにして、忘れられない印象度とアピール度を残すという点においては、まさしくトップクラスなゲームでした。


ゲーム本編は非常に単純なもので、功夫老師が『左!』『右!』『前!』『後ろ!』と叫び、プレイヤーはその声と同じ方向のボタンを素早く押していくだけという分かりやすいルール。
私も何度かプレイした事がありますが、シンプルなルールで反射神経のみに依存するその内容は、思わずムキになってはまってしまうゲームだったとは思いますね。
ちなみに功夫老師の指示した通りにボタンを押すと『ポン!』、間違うと『ブー!』という音声で返してくれます。
例:
『右!』『ポン!』
『左!』『ポン!』
『前!』『ポン!』
『後ろ!』『ポン!』
『左!』『ポン!』
『後ろ!』『ブー!』
『右!』『ポン!』
『左!』『ポン!』
『前!』『ブー!』
『後ろ!』『ブー!』

ってな感じ。


ゲームは最初レベル1から始まり、レベルが上がると『おぬし、なかなかやるな! ではこれではどうじゃ? アーッチャッチャッチャッチャッ!』という功夫老師のかけ声と共に1段階上のレベルとなります。
開始直後の難易度はやさしめですが、しかしレベルが上がると相当に難しくなります。
特にレベル4以降はもう通常の反射神経では全く追いつけないくらい。
で、ひたすらブー!ブー!ブー!ばかりであっという間にゲームオーバー。
ゲームオーバーになると、なんか悔しい。


とにかく、やかましくて印象深いゲームでした。
『おおい! そこのあなた、あんただよ! ちょっと試してイカンかね!』
もういいって。


にしても、本当にマイナータイトルのレビューが好きだなあ、私は。

2002年7月1日


戻る