一定距離ではなく、一定時間走り切るとクリアという一風変わったゲーム

ル・マン24

セガ アーケード


さて、今回のタイトルはセガが1997年に放ったル・マン24です。
このゲームはタイトル通り、LE・MANS24という24時間耐久レースをモチーフにしたドライブゲームです。
まず、あらかじめ言っておきますが、ここで紹介するのはアーケード版のタイトルということです。
2001年に同社からドリームキャストで同名のタイトルが発売されていますが、しかしこれは移植版ではなくタイトルこそ同じですが、完全に別のソフトとして作られたものです。
なので、このレビューの内容はドリームキャスト版とは一切関係無いので、そこんとこご了承を。
ちなみにこのゲーム、ドライブゲームをあまりプレイしない私にしては、珍しくかなりハマったゲームなんですよね。


このゲームは24時間耐久レースという毛色の違ったレースをモチーフにしているせいか、他のゲームには見られない、数々の変わったシステムが数多くありました。
例えば時間制限。
このゲームはタイム制で、残り時間がゼロになるとゲームオーバーになります。
これだけなら普通のドライブゲームと全く同じなんですが、そのタイムの増える条件というのがちょっと変わってる。
というのも、普通ドライブゲームといえば、基本的に特定のチェックポイントを通過して初めてタイムが増えるというシステムなっているものなのですが、しかしこのゲームはそれだけでなく、敵車を抜いた時もタイムが増えるようになっています。 で、抜かれると逆にタイムが減るという。
大抵のレースゲームは敵車といえばただの邪魔な障害物になりがちなんですが、このゲームではそんな敵車を抜く事にしっかりとした必然性を持たせたという面で非常によく出来ていたのではないかと思います。
次に、このゲームはクリア時の条件も他のドライブゲームとは異なります。
このゲームは通常のレースのように、規定回数サーキットを走り抜けるとクリアするというモノではなく、24時間走破するとクリアという方式になっているのです。 どれだけ走ったかというのは全く関係ない(ハイスコアには関係する)んですね。
つまり、実際の耐久レースのように、先にゴールするのではなく、無事に走り切るというのが目的となっているわけです。
もちろん実際に24時間走り続けるのわけにはいかないので、ゲーム内では数10秒で1時間単位の時間が過ぎるようになっています。 したがって、実際のゲームプレイは10分ちょい。
このように、我先にゴールを争う走りではなく、あくまで無事に走破するというのを目的としているあたり、耐久レースらしさをよく表現していると思います。
他にもこのゲームの面白い特徴として、レースはプレイヤーの有無にかかわらず常に行われているというのがあります。
わかりやすくいうと、ゲーム内ではずっとレースが行われていて、プレイヤーはそのレース内に途中参加するという方式になっているんですね。
なので、ゲーム開始時にはすでに夜のシーンだったり、夕方だったり、雨のシーンだったりするということもあるわけです。
これは、各々が24時間走破すればクリアというシステムを採用しているこのゲームならではのモノ、といえるんじゃないでしょうか。
またこのシステムは複数人数のプレイでも活かされており、このゲームではプレイヤーはいつでもゲームに途中参加することが可能になっています。
つまり、わざわざ全員が足並みをそろえてゲームをスタートさせずとも、各々がいつでも参加、そして離脱する事が出来るんですよね。
他のゲームではあまりない一定時間走破でクリアという独特のシステムですが、このゲームではそのシステムを非常にうまく昇華しているのではないでしょうか。


このゲームはモデル3ボードを使用したゲームなので、グラフィックは非常に綺麗でした。
特に天候の変化は格別で、プレイと共に時間が過ぎていくのが美しい風景の変化によって感じ取れたものです。
また暗闇ではちゃんとライトを点けるし、雨が降ればバシャバシャと水飛沫が上がったりなど、かなり綺麗。


音楽はよかったですね。
テクノ系っていうんですか。
ノリノリの曲が時間の変化と共に次々と変わるのがナイス。
いい曲だったので、サントラCD買っちゃいましたよ。
今でもたまに聞いています。


このように、かなり面白い要素満載なこのゲーム、私はけっこう長い間やりこみました。
音楽のノリも良く、またドライブゲームの割にプレイ時間もそこそこ長かったので、とりあえずこのゲームがあったらほぼ必ずプレイしていたものです。
まあ、極める、とまではいきませんでしたが、しかし何度かワンコインクリア達成はしました。


ただですね、このゲーム、やはりというか当然というか、他のドライブゲームでもよくある欠点を持っていたというのが不満でした。
ここでいう欠点とは、時間制限の事。
一言でいうなら短いという事です。
私がアーケードゲームで重要視する部分の1つに、ワンコインクリア(主に一周)が可能かどうかというのがあります。
例えば絶対にワンコインクリア出来ないようになっているゲームなどは、内容が面白かったとしても、結局コンティニューが必要になるため、あんまり好きにはなれないんですよね。
というのも、私は上達する為のプレイ、というのもゲームを楽しむ一つの手段だと思っているので。
そんなわけですから、ル・マン24も内容自体は面白かったけど、時間制限による難易度という面からすれば、どうにも不満の残るゲームでした。
もちろん、他のレースゲームに比べると結構長い間遊べるようにはなっていたし、内容的にも結構面白いゲームだったとは思うんですが、しかし私としては、ワンコインでクリアが実現出来るゲームではない、というのはやはり好きにはなれないんですよ。
ちなみに上では『何度かワンコインクリアした』と書いたんですが、しかしこれは実の所、隠し車である水色のポルシェを使って、そしてセガ系のゲームセンターにあるベリーイージー設定の場所でプレイしてこそ実現できたワンコインクリアなんですよね。
このポルシェ、元々は24時間走破した後のエキストラゲームである一対一の対戦レース用での敵として登場する車なんですが、ある特定のコマンドを入力する事によりプレイヤーカーとして使用する事も出来たのです。
もちろん隠し車なだけあってべらぼうに早く、他の車の追随を許さない程のスピードを持つ車でした。
しかし、そんなメチャ早い車を使っても、私は初期タイム150秒のベリーイージー設定の筐体で3ヶ月以上やりこみ、やっとこさ24時間走破(ワンコインクリア)を実現出来ただけなんですよね。
最終的に合計10回ほどワンコインクリア出来たわけですが、しかしそのどのプレイも残りタイムはたったの1〜3秒でした。
はっきりいって4秒以上の時間を残せた事がないです。
こんな好条件でプレイしてギリギリワンコインクリア出来るほどのレベルでしたので、ほとんどのゲームセンターで設定している初期タイム120秒のノーマル設定では、隠し車のポルシェを使っても一度もクリア出来た事はないです。
そんなわけですから、他のデフォルトで用意されている車でワンコインクリアするなんて事実上不可能でした。 よくて半分の12時間を走破出来るくらい。
ドライブ系のゲーム(特にセガ系)のレビューではいつも書いていることなんですが、とにかくどんなドライブゲームであれ、デフォルトでワンコインクリアが実現可能なくらいの設定はしてほしいですねえ。
まあ、筐体の値段を考えると致し方ないともいえるので、そう簡単にはいかないんでしょうが、でも、それなら例えばゲーム中に過ぎる時間をもっと短くして、24時間走破にかかる時間をもっと短くして簡単にする、といった方法などを採用してほしかったですね。
とにかくどれほどやりこんでも絶対にワンコインクリア出来ないようになっているゲームというのは、どうにもプレイしていて歯切れが悪いものですし。
あと、他にちょっとだけ不満を述べるなら、敵車はどれだけ接触してもまるで減速しないというのがちょっとイヤでしたね。
こちらは敵車に当ると急激にスピードが落ちるのに、敵車は全く影響無しで何事も無かったかのようにスイスイこちらを抜き去っていくというのが、なかなか屈辱的でしたね。


そういえばこのゲーム、いくつか隠し技がありましたな。
私が知っているのは2つで、1つは上でも書いた隠し車のポルシェが使用出来るようになるコマンド。
確か一番左の車を選びながら、アクセル、ブレーキ、視点変更の全てを押しながらスタートさせるというヤツだったかな。
あと他に、確か高得点を取得する(詳細は忘れました)と、ゲームオーバー時に表示されるレースクィーン画面の視点を変更出来るというのがありましたね。
ところでこのレースクィーン、ゲーム中は一瞬しか登場しない割に、なんかやたら力を入れて作られていたような……。


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