ゴムマリのようなボールが弾む
ストレートすぎるタイトル画面ですな。


サッカー

任天堂 ファミコン


今ではそれほどでもないのですが、昔は新しいゲーム機が発売された直後は、ハードを牽引する役割の担い手として、一通りスポーツゲームが出揃うという現象はよく見られるものです。
で、ファミコンで1985年に発売されたこのタイトルも、そんな一本。
名前はサッカー。
ナンのひねりもありゃしないですな。
あんまりにもストレートなネーミングが、いかにも昔のゲームらしい。
まあ名前をあれこれいうのは置いといて、ゲームの内容について語っていきましょう。
チーム選択画面。 日本がピンクなど、今から見たら配色メチャクチャですな。

ゲームはその名の通り、サッカーゲームです。
十字ボタンで選手を操作し、Aボタンでロングキック、Bボタンで近くの選手にショートパス。
相手のゴールにボールを叩き込めば1点獲得で、タイムアップ時に持ち点の高い方が勝ち……って、今更説明するまでも無いですな。
ちなみにこのゲーム、なぜか(当時にしては)マニアックなオフサイドルールが採用されてたり、ハーフタイムになぜかチアガールが踊るデモがあったりなど、妙な所で凝ってる部分がありました。
オフサイドはともかく、チアガールなんてなんで入ってるのやら…。
キックオフ! 見にサッカー並のグラウンドで暴れまくれ!

さてこの『サッカー』、リアルなサッカーゲームがひしめきあう今の視点からすれば、とてもサッカーには見えません。
かろうじてサッカーに見える、程度か。
選手は5人しかいないし、審判いないし、選手に名前なんて無いし、もちろん選手の性能差なんて無いし、選手交代も無いし、当然チーム別の性能差も無いし、タックルも無いし、ヘディングも無いし、ファールも無いし、細かな技術なども無いし、スライディングもないし、めまぐるしいまでのスピード感などもないしと、とにかくないないづくし。
が、しかし、それはリアルなゲームに慣れて肥えた今の目から見てのことであり、まだまだハード的な制約が厳しく処理能力も乏しかった当時のゲームにおいては、ファミコンのだけでなく、他のほとんどのサッカーゲームも同様にシンプルな作りモノのが多かったので、上記のように多くの部分が省略と簡略化されていたファミコンの『サッカー』でも、何の問題もありませんでした。
だからこそ、今では『これサッカーゲームなのか?』とも思えるくらいショボくて単純なゲームでも、当時の私を含むチビッコ達は十分面白おかしく楽しんでいたものです。
サッカー好きだった私の友人達も、ファミコンで遊べるサッカーゲームという事で、この『サッカー』にはよく燃えていたものです。
そして私も含め、よく同級生達同士で対戦プレイもしました。
キーパー森崎君、がっちりキャッチ!(ウソ)

が、私自身としては、どうにもイマイチなゲームだった、と言う印象が強いです。
いや、実際の所、ゲームとしては良く出来ていたと思います。
見かけやシステムこそシンプルでも、そこは任天堂、他のゲーム同様にちゃんと作り込まれたゲームになっていました。
が、やはりそれでも私にとってはイマイチなゲーム、という印象が強いです。
なぜかというと、このゲームをプレイする前に、すでにスーパーカセットビジョンの『スーパーサッカー』をプレイし倒してたからなんですよね。(詳しい話は『スーパーサッカー』のページ参照)
スーパーカセットビジョンの『スーパーサッカー』では、スライディング、ヘディング、ジャンプ、セービング、ボールにカーブをかける、バックパスが出来る(自陣に向かってボールを蹴れる)など、ファミコンの『サッカー』には無い要素が沢山詰まっており、動きこそ多少もったりしてたものの、『スーパーサッカー』の方が遥かに面白いゲームでした。
特にスライディングやヘディング、ボールにカーブをかけるという要素は、『キャプテン翼』が大ブームだった当時はまさしく翼君を連想させるもので、とても楽しいものでした。
あと、自陣に向かってボールを蹴れるというのも、自殺点というバカプレイで受けを取る事が出来ました。
だから、ファミコンの『サッカー』を初めて見た時、『え? ヘディング無いの? スライディング無いの? シュートが曲がらないの? バックパスできないの?』という不満点ばかりが目立ち、私の目にはものすごくしょぼく映ってしまったものです。
出来は悪くなく、ゲーム性自体はもしかしたら『スーパーサッカー』よりも良かったかもしれないとも思うんですが、しかし何分少年時代の事なので、細かなゲーム性云々よりもカッコいいプレイのできるスーパーカセットビジョンの『スーパーサッカー』の方が遥かに魅力的に見えてしまったんですね。
そのため、いまだにこのファミコン版『サッカー』はイマイチなゲーム、という印象を持ってしまいます。
出会うタイミングが悪かったというべきか、それとも『スーパーサッカー』にハマりすぎたというべきか。
うりゃ!シュートじゃい!

この『サッカー』、ゲームの良い悪いは抜きにして、私が特に印象に残っていると思えるのが、ボールの質感ですね。
このゲーム、内容はサッカーなのに、しかしゲーム中に表示されるボールは、あまりサッカーのボールっぽくなかったです。
音とか、跳ね具合とか、転がり方とかがどうにもサッカーボールっぽくない。ボールは『ブゥゥゥーーーッッ』と飛んでいくし、地面に落ちると『ズンッ…ズンッ』って感じだし、おまけに全然バウンドしないし転がらない。
ドリブルしてる時も、『蹴り転がしている』というよりも『押し出している』感が強く、あんまりサッカーボールっぽく見えなかったのが、このゲームのボールでした。
どちらかといえば、空気の抜けた重たいゴムボールって感じがしたものです。
こんな事を感じてたのって、私だけですかね。
チアガール達が舞う。 無駄に凝ってます。

このゲームでもう一つ印象深かったのが、対戦プレイでの『ブヒブヒ』と呼ばれるプレイ。
このゲーム、ボールに選手に当たっても吹っ飛ばされる事は無く、ボールはその場で止まるようになってます。
これを利用し、キーパーがボールを蹴った瞬間にキーパーに重なるように選手を動かしてキーパーのキックをブロックし、そこから無理矢理ゴールに押し込むという戦法が可能だったんですよね。
私の周囲では、それを『ブヒブヒ』と呼んでました。
でも、何でこんな呼び方してたんだろう…。
この『ブヒブヒ』、選手をキーパーに重ねる事が出来れば簡単かつほぼ確実にゴールできるほど強力な戦法だったので、これを使うヤツは『卑怯者』呼ばわりされたものです。
もちろん、ローカルルールでこの『ブヒブヒ』を禁止になったというのはお約束。
……なんですが、この『ブヒブヒ』、いかにも子供らしいバカで間抜けな戦法でした。
なぜって、このゲームはシステム上、キーパーがボールを持っていると選手達は強制的に(自動で)ペナルティラインの外まで下がり、キーパーがボールを蹴る時までその場から動けなくなるのですが、しかし選手がまだゴール前に留まっている時にボールを蹴ろうとすると、その瞬間に選手が操作可能になるので、そこからキーパーに重なって『ブヒブヒ』が可能になるんですよね。
つまり、早くに蹴ろうとするから『ブヒブヒ』されるわけで、別にローカルルールを作ったり卑怯者呼ばわりしなくても、キーパーがボールをキャッチしたらある程度の間を置いて(選手がペナルティエリア外に下がるまで待って)蹴れば、この『ブヒブヒ』は安全かつ確実に回避できるはずだったんですが、当時はなぜかそういう所まで全然気が回らなかったみたいです。
いかにも子供らしいバカさを発揮していたというべきか、それとも少しでもゲームを早くプレイしようとエキサイトしすぎててそういう冷静な所に気付かなかった間抜けさというべきか。
なんにせよ、『ブヒブヒ』という響きが示すように、バカな思い出でした。


2003年6月2日


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