これぞマイナー!可笑しくてバカらしいアドベンチャーゲーム

ザックマックラッケン

ルーカスフィルム(販売:富士通) FM-TOWNS


さて、マイナーなタイトルを揃えているのがウリであるほのんのゲーム紹介&感想(それでいいのか?)ですが、このタイトルはその中でも屈指のマイナーさを誇っているはず。
というか、このタイトル知ってる人99%おらんでしょ。
今さっき『ザックマックラッケン』をGoogleで検索しても、私のサイトを含んでたったの4件しか引っかかりませんでした(ちなみにMSN検索だと2件、Goo検索だと1件)。
その内容も、TOWNSで発売されたソフトのリストの1つとして載っているだけ。
なので、いうなればこのページが日本語のサイトで最初の、そして唯一存在するTOWNS版ザックマックラッケンのレビューという事になります。
ビバ!唯一なる存在!
……マイナーさを誇ってどうする(逝)


というわけで、気を取り直してザックマックラッケンの紹介。
ザックマックラッケン(日本語版)は、1991年にTOWNSで発売された、ルーカスフィルム製のアドベンチャーゲームです。 いわば洋ゲーですね。
当時、雑誌で紹介されていたこのゲームの記事が結構面白そうに見えたので買ったゲームでした。
基本的なゲームシステムは同社の『モンキーアイランド』シリーズや『マニアックマンション』、『インディージョーンズ』シリーズとほぼ同じで、画面上に表示されるプレイヤーキャラ『ザックマクラッケン(以下ザック)』をカーソル指示によって移動させ、画面の下部に表示される様々なコマンドと組み合わせて謎を解きつつ先に進めるというものです。
このシステムは今でこそ特に珍しくはありませんが、しかしアドベンチャーゲームといえば静止画にテキスト表示がメインだった当時にしてみれば、ルーカスフィルムのこれら一連のアドベンチャーゲームはグラフィカルで動きがあって非常に見栄えの良かったゲームだったと思います。
例えば人に話したり物を手渡したりするコマンドを実行すると、ちゃんとその人の前までキャラが移動して行うので、見た目非常に直感的でわかりやすい
他にもあるキャラが後ろを向いているのを見計らってすかさず通りぬけたりなど、既存のアドベンチャーゲームでは出来ないこのスタイルならではのギミックなども実現されていたりなども。


さて、このゲームの基本的なストーリーは非常に単純で、地球を侵略しようと企んでいる宇宙人達の陰謀を偶然知ったザックが、仲間と共にそれを阻止するというものです。
まあ、端から見ると本当にありきたりな設定ですね。
ですが、このゲームでは他のゲームではあまり見られない、なんだか奇妙というか変というかジョーク的というか、とにかくそんな妙なムードが全般通して漂っていたんですよね
アメリカのコメディ番組みたいな感じ。
なので、ありがちなストーリーでありながら、やけに印象深いゲームとして私の記憶の中に残っています。


このゲームの主人公は、アメリカのサンフランシスコに在住するザック・マックラッケンという独身の新聞記者です。 といってもタブロイド版。
ここでいうタブロイド版とは、英語で半紙サイズの新聞の事で、主にゴシップや写真、マンガなどで構成された、いわば大衆向けの低俗な新聞の事です。
日本で言うなら、東スポなどがそれに近いですか。
通常の新聞の記者ではなくタブロイド版の記者なあたり、このゲームは普通とはちょっと違う雰囲気を持っているというのを伺い知る事が出来ますな。


とまあ主人公の立場から結構変なゲームですが、しかしゲーム内容も相当に変で、次から次へとよくわからない、それでいておかしな展開や演出がてんこ盛り。
例えばオープニング。
夢の中で、ザックは『あれは俺だ!』とベットに横たわる自分自身を発見します。
その直後、彼は『ダブロイド版の記者、夢の中でプッツン』という、いきなり自分の状況を新聞の見出し風に口走ってくれます
主人公からしてこんな奇妙な人物ですから、もちろん他の登場人物や演出なども変なヤツばかり。
敵の宇宙人達は、『地球人をアホにするマシーン』を用いて侵略を企てるという、脱力モノの侵略方法。
武力ではなくこんなおバカな方法を使って侵略する宇宙人の話なんて、おそらくこのゲーム以外にないでしょう。
しかも結構効果ありで、例えばテレビのニュースキャスターなどは『え〜その〜』と今から何を言おうとしていたのか忘れてしまうという。
ちなみにさらにスゴイ事に、この宇宙人のアジト、ザックの自宅の隣にあります
なので、ザックは屋根裏から伝って侵入するという、脱力モノの展開。
もちろん見つかったら捕まってしまいます。 そうなると、『地球人をアホにするマシーン』によってアホにされます
アホにされると言動が変になってしまい、見るからにマヌケな状態に。
それだけでなく、画面下部のコマンド欄も消滅してしまいます。
こうなるともう移動以外の操作は出来ず、文字通りアホになってしまうというわけですね。
日本のゲームではまず見られないようなくだらなくてバカバカしい、それでいて笑っちゃうような演出ですな。
もちろんこれはハマリではなく、時間が経てばちゃんとコマンドが少しずつ現れてくるように出来ていますが。
他にも宝くじ予想的中マシーン(本当に的中する)とか、どっか変なアイテムも満載。
ゲーム後半、ザックは火星に飛び立ちますが、その時の出で立ちは宇宙服などではなく、スキューバ用のジャンプスーツ、飛行機から盗み出した小型酸素ボンベ、そしてヘルメットとして金魚蜂
あるいみ、スゲェ!です。


このように、ザックマックラッケンは全般通してこのように非常におマヌケなでかつ奇妙な登場人物達がわんさと出てくる楽しいゲームですが、しかし謎解き系のアドベンチャーゲームとして見た場合、その謎解きは洋ゲーらしく、とてつもなく難解でした。
というのも、モンキーアイランドのレビューでも書きましたが、このゲームは日本のよくあるアドベンチャーゲームと違い、通常思いつかないような方法でアイテムを手に入れたりなど、謎解きに相当頭をひねる必要があったからです。
例えば飛行機の中で酸素ボンベと浮き輪を取る必要がありますが、しかしスチュワーデスが邪魔で取れない場面があります。
ここでは、まず洗面所でトイレットペーパーを排水口に大量に詰め込んで水をあふれさせ、スチュワーデスの気を一瞬だけそらします。
これだけではすぐにスチュワーデスが戻ってくるので、さらにそこから電子レンジに卵を詰め込んで破裂させます。 すると長時間スチュワーデスを足止め出来るので、悠々と酸素ボンベと浮き輪を入手出来ます。
このように、意外性のある込み入った方法の謎解きが大量にあるので、相当難しいゲームでした。
さらに、このゲームではどのアイテムが必要でどのアイテムが必要でないかというのが明確に知らされないので、うっかり重要なアイテムを無くしてしまうとクリアできなくなる事もあり、これがさらにこのゲームの難易度の高さに拍車をかけていました。
なので、ヒント無しでこのゲームをクリアするのは相当な根気と忍耐力が必要だったんですよね。
まあ、ある意味チャレンジ性の高い海外のゲームらしいといえばらしいですけど。


でも、TOWNSばんのザックマックラッケンには、クリアまでの攻略フローチャートが載っている小冊子が付属されていたので、難解なゲームですが、誰でもクリア出来るようになっていました。
その小冊子もクリアまでの手順が完璧に載っているモノと、謎解きのヒントだけが載っているものの2つがあり、クリア率先の人は答えをさっさと見て、謎解きを楽しみたい人はヒント集を見ればいいと、なかなか気の利いた構成になっているという。
もちろん私もこの小冊子のおかげでクリア出来ました。
小冊子のおかげで、謎解きで詰まる事はほとんどなく、存分にその奇妙な世界と人物のやり取りを楽しめたので、非常に面白くプレイできました。
もっとも、その小冊子がなかったら楽しめなかったかもしれませんが。
まあとにかく、なんのかんのあれ、結果的には楽しいゲームでしたね。


ところで、このゲームは元々海外版なんですが、日本語日本語に訳されたTOWNS版が発売されるに至って、キャラクターとパッケージデザインにマンガ家の弓月光が起用されました。
パッケージデザインを見ると一目瞭然で、弓月光の特徴的な(ちょっと濃い)絵柄が異彩を放っており、立ち並ぶTOWNS用パソコンソフトの中でもなんか目立つ存在でした。 パッケージの色もピンクだったし。
ちなみにゲーム中のキャラグラフィックも目が大きくなり、オリジナル版に比べてずいぶん愛嬌のある顔になってましたね。
でもなんであの人を起用したんでしょ?


ちなみにエンディングは、ザックが星のある装置を作動させて、宇宙人の野望を打ち砕き、そして宇宙人はあきらめて退散し、ハッピーエンド、となっています。


追記:上ではこれが唯一のザックマックラッケンのレビューだと書きましたが、しかし私以外にもこのタイトルのレビューを書いている方がいました。
日本で唯一のザックマックラッケンのレビューだと思っていたのに、なんとも残念。
ただ、その方のレビューはTOWNS版ではなく、PC/AT版なので、まだ日本語版であるTOWNS版のレビューはここが唯一だということになりますが。

2001年10月29日


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