頭文字はD
ダッシュする野郎だからダッシュ野郎。 わかりやすいですな スタート! 熾烈なレースを制すのだ!


ダッシュ野郎


東亜プラン(販売:タイトー) アーケード



 ゲームの概要
ダッシュ野郎は1988年に東亜プランから登場したアクションゲームです。
内容は1レバー1ボタンの真上視点による、バイクラリー。
ライバル車達を次々追い抜きつつ走行し、無事ゴールインするのが目的です。
このゲームには通常のレースゲームのような明確な制限時間というものは設定されていませんが、しかしその代わりガソリンメーターなるものがあります。
ガソリンは走行中、常に減少していき、また障害物や敵車にぶつかってクラッシュした場合は大幅に減ってしまいます。
そしてガソリンの残量がゼロになるとバイクが止まってしまい、ゲームオーバー。
ガソリンは途中にあるスタンドに入る事で少量補給する事が出来ますが、しかしガソリン補給中は他のライバル車たちにどんどん抜かされてしまうので、現在の順位とガソリンの残量をよく考えて補給する必要があります。
また、ステージには指定順位なるものが設定されており、決められた順位以内でゴールしないと、完走してもこれまたゲームオーバーに。
敵車との順位争いと同時に、ガソリン残量との戦いもあるという、厳しいゲームです。
そしてめでたく指定順位以内でゴール出来ると、次のステージに。
そうして6つのコース全て走破すると、オールクリア。
なお二週目はなく、一周エンドとなっています
ちなみにステージ2とステージ4をクリアすると、合間にボーナスステージがあります。
ヘルパーで敵車を攻撃! 『追い抜く』だけでなく、日ごろの幅寄せの恨みを晴らすのだ! 路面電車が走ってる中を堂々とレースし取ります。 いいんですかね、これ? ガソリンが少なくなったらスタンドで補給だ。


 タイトルのネーミングに個性あり
このゲームを語る時に一番最初にあげたい部分はずばりタイトルですね。
おおよそレース系ゲームというのはどことなくスマートなものというイメージがあるせいか、イロモノ系を除いては、やたらにカッコいい響きのする名前が付けられるものです。
例えばハングオン、ファイナルラップ、スーパースピードレース、モナコGP、ポールポジション、チェッカーフラグ、グランドチャンピオン、パワードリフト、デイトナUSA、スーパーフォーミュラ、ダートフォックス、フルスロットル、などなど。
しかしながら、このゲームのタイトルは、

『ダッシュ野郎』

なんてステキなネーミングなんでしょう!
特に『野郎』って辺りがやけにむさくるしい感じがしてて個人的にはナイス。
男っぽいもの、それも無駄に濃いものには『野郎』というタイトルが付けられる事がままありますが、レースゲームにてそれをつけてしまうというのがスゴイ。
もちろんそれだけでなく、前の方に『ダッシュ』という、ちゃんとレースに関連した単語を付けてレースゲームだとアピールしている点も見逃せない。
ゲームそのものはごく普通の内容で、タイトルに比べてあまりはっちゃけてはいないものですが、でもとりあえず、この個性あふれるタイトルのセンスには拍手を送りたいです。
ジャンプ台でこの豚運送トラックに乗ると敵車を破壊しまくれます。 ここぞとばかりに破壊しまくって1位を目指そう。 湾岸。 サーファー丸出しな車が駐車されてます。 恐怖のトレーラー。 プレイヤーも敵車もまとめてひき潰してきます。 冷静に考えたら怖ェな…


 過激なコース、過激なレースを制するのだ!
ダッシュ野郎にて行われるラリーはとても過激。
雰囲気が和やかっぽいのであまりそうは感じられないんですが、ジャッキーチェンの映画『デッドヒート』やスタローンの映画『ドリヴン』などを彷彿とさせるほど過激でバイオレンスなレースが展開されます。
コースなどは、ぱっと見こそいかにもラリーっぽいルートに見えながらも、実はトンでもないまでにバラエティに富んだ、そして危険なルートがプレイヤーを待ち構えています。
例えば、路面電車が走っている線路上でデッドヒートを繰り広げたり、鉄道が道を塞いでてジャンプ台で電車を飛び越えないと進めなかったり、狭い通路をトラックが後方から猛スピードで追突してきたり、トレーラーが後方から轢き潰してきたり、鉄道が交差する踏切を間一髪で駆け抜けたり、大型4WD車が突然横転してきたり、木々が鬱蒼と生い茂った森の中を突っ切ったり、暴走族が走り回る真っ只中を通り抜けたり、そこら中岩やサボテンだらけなルートがあったり、幅一台分しかない狭い道がコースだったりと、レースとは思えないルートが目白押し。
中でも超絶なのはやはり最終面で、路面駐車している車の間を縫う、車でごった返している混雑した駐車場の中を突っ切る、交差点を信号無視して走り抜けるなど、もはやラリーを超越しています。
そんなハリウッド映画のカーチェイス並に過激なルート走破をするわけですから、もちろん、レースに出場している車やバイクたちはもうそれはそれはクラッシュしまくりの爆発しまくりの大破しまくり。
トラックに轢かれたり、暴走族に転倒させられたり、電車に轢き潰されたり、民家に突っ込んだり、木に突っ込んだり、川に突っ込んだり、岩に突っ込んだり、井戸に突っ込んだり、駐車中の車に正面衝突したり、交差点で側面から衝突されたりなど、レースというにはあまりに過激で凄惨な風景、そして展開。
さらにそれだけには留まりません。
ただ走り抜けるだけでも恐ろしく困難なのに、何を考えているのか、ライバルカー達はこんな超絶危険なコースの中、プレイヤーに向かって極端に幅寄せしてくるからたまらない。
エエそりゃあもうすごいもので、前方にいる敵車ほぼ全て、露骨なまでにこちらに車体を寄せしてくるという。
場所が広い道だろうが狭い道だろうが、お構いなし。
なにがなんでもプレイヤーにぶつかってやろうという邪悪な意思が感じらるほど、わざとらしくこちらに向かってにじり寄ってきやがります。
ひどいときなどは、こちらがよけないとそのまま接触(クラッシュ)してくるヤツも。
おかげで追い抜きにくいったらありゃしない。
実際、プレイヤーがクラッシュする原因のほとんどはこの敵意丸出しな幅寄せが原因となっています。
それこそ、まるで全ての車がグルになってこちらを陥れようとしているよう。
レースでは、どの車にとっても基本的に『自分以外は全て敵』だったりするものなんですが、このゲームにおいてはそれよりもむしろ『自分だけが(他の車にとって)唯一の敵』という感じがしてしょーがないです。 それも追い抜く対象としての敵ではなく、破壊の対象としての敵という。
ちなみに、敵車たちはあまりに露骨なまでにこちらに幅寄せしてくるので、やっこさんら、実は自爆することも少なくなかったりします。
障害物を避けようともせず正面から激突するのは当たり前で、自らトラックに突っ込んだり、岩に突っ込んだり、電車に正面衝突したり、コースアウトしてクラッシュしまくるというのも日常茶飯事。
プレイヤーに幅寄せしようとして平気で自爆しまくる敵車達。
オメーら絶対レースする気ねェだろ!ていいたくなるほど。
爆発しまくりクラッシュしまくりを見ていると、レースよりもむしろデストラクションダービーな感じ。
過激どころじゃないですな。
どー見ても絶対死人出てます。
ドコがレースだよ、コレ。
トレーラーが追いかけてくる〜! その横ではのんびりサーフィンですか… ボーナスステージ。 敵車を避けつつ若葉(?)マークを集めるのだ オフロード。 さすがに道が悪いせいか、そこかしこでクラッシュしまくってます。


 心強いアイテム達
前述したように、このゲームではなぜか全ての敵車が敵意丸出しで迫ってくるので、プレイヤーはレース中、気の休まるヒマもありません。
そこで登場するのが、心強いアイテム達。
アイテムを駆使してレースを有利に運ぶのだ!

 ガソリン
ガソリンが少量回復します。
本当に少量なので、まあ気休め程度にしかなりませんが、でも無いよりははるかにマシ。

 ターボ
スピードアップします。
もう一つ取ればさらにスピードアップ。
ターボ中は敵車を抜きやすくなり、またコース走破もしやすくなりますが、しかしその分スピードが速いので障害物や敵車に激突しやすくなるので注意。
なお、ターボはそのコースをクリアするか、もしくは一度でもクラッシュするとなくなってしまいます。

 ヘルパー
自機の左右にバイク型ヘルパーが装着されます。
ヘルパーに触れた敵車はクラッシュしてしまうので、今まで無抵抗だったプレイヤーは一転して敵車をガンガン攻撃して破壊する事が出来ます。
ヘルパーはレバーを左右に入れることによって前方にせり出すようになっており、また前方にせり出したときの判定は意外に大きいため、前方の邪魔な敵車を、積年の恨みとばかりにアチョアチョと攻撃、破壊しまくってやりましょう。
後半のコースにおいては、判定が大きくて邪魔な四輪車を簡単に片付ける事が出来る手段となるので、非常にありがたいアイテムです。
なお、ターボと同様、ヘルパーはコースクリアかクラッシュにて失ってしまいます。 また、ヘルパー自体が障害物に触れてしまっても外れてしまいます。

 1000PTS
1000点得点が入ります。
他のアイテムのありがたみが大きい分、ヘリから投下された箱の中にこのアイテムが入っているとけっこうゲンナリ。

 500PTS
道端の随所に設置されており、文字通り500点が入ります。
取ったところで得点が入るだけなので無理して取る必要は無いでしょう。
ところで、この500PTSは置かれているんでしょうか、それとも落ちているんでしょうか…?
謎だ。

 ガソリンスタンド
このマークに触れると、ガソリンスタンドにてガソリンを少量補給する事が出来ます。
ただ、ガソリン補給中は他の車がどんどんプレイヤーを追い抜いていってしまうので、やっためたらにガソリンスタンドに入ると順位を大幅に落とすハメになるので、ガソリンの残量と自分の順位とを考えて利用していく必要があります。
なお、ガソリンスタンドが近くにある場合は、ナビゲータがその少し前に通達してくれるという便利なシステムとなっています。
一つのレースを終えたら、しっかりメンテナンス。 ガソリンも満タンに。 ヤッタ〜、一位取れたよー! よし!首位独走でゴールインだ!


 実はまったりのんびりとしたゲーム
上で説明したように、このゲームは非常に過激な内容のレースが展開されます。
しかし!
だからといって、ダッシュ野郎はマッドマックスの走行シーンみたいな、血で血を争うバイオレンス度100%な雰囲気のゲームではなかったりします。
いやそれよりもむしろ、過激な内容とは裏腹に、ゲームのムードは妙にのほほーんとした、それこそ『まったり』という言葉がピッタリ合うような雰囲気が漂っているという。
レースそのものは言葉で説明するとかなり壮絶な感じがしますが、しかしゲーム中の表現そのものは相当マイルドで血なまぐさい感じはまるでしません。
クラッシュした車やバイクはすぐに消滅するし、爆発そのものも地味で控え目。
プレイヤーもクラッシュしたときは足をバタバタさせて静止するだけで、すぐに体勢を立て直して再スタートします。
岩に激突しても、トラックに轢かれても、電車に轢き潰されても、ガソリンが少量減るだけで、すぐに何事も無かったかのようにバイクを立て直してラリー再開。
本当なら凄惨な事故になってるはずなのに、エキサイトバイクのライダー並に頑丈なキャラですな。
そして、何よりグラフィックそのものがバイオレンスさを微塵も感じさせない。
グラフィックのタッチもそうなんですが、特にコレは背景がそれを顕著に感じさせるもので、必死でデッドヒートが繰り広げられてクラッシュしまくっている脇で牧場の牛がのほほんとしてたり、海岸では日光浴やサーフィンを楽しんでる女性がいたり、暴走族が走っている脇で二人の男が自転車でサイクリングしてたりなど、過激なレースの割には周囲の風景が妙に呑気で生活観漂っているという、味のあるグラフィック。
そしてきわめつけはBGM。
加熱しているレースとは思えないくらいのんびりした感じの音楽が流れるという。
レースというよりもむしろドライブしているような、そんな雰囲気漂う呑気な曲。
緊張感のかけらも感じられない音楽だったりしますが、しかしながら、だからといってゲームにまるで合ってないというわけではなく、むしろこんな曲がゲームに妙にマッチしているから不思議。
東亜プランといえばプログラマー自らが音楽を手がけているというのは有名ですが、このゲームでもそんな『東亜節』が見事に炸裂しているわけですね。
ゲーム中に流れるのを聞いてると、なんだか心地よいです。
このように、ゲーム内容そのものは非常に過激でバイオレンスな割に、雰囲気はものすごくのんびり。
この落差が面白い。
ステージ4。 ここからは四輪車も加わります。 四輪はガタイがでかいため、抜くのに一苦労。 恐怖の鉄道横切り。 左のヤツひき潰されてます…。 いいのか? コースが完全に途切れてます。 ならジャンプ台を使ってジャンプだ!


 ジッピーレース?
このゲーム、知っている人ならすぐにわかると思うんですが、ゲームの内容がかつてアイレムから登場した『ジッピーレース』というゲームにソックリだったりします。
トップビューな画面といい、道路だけでなくオフロードも走破しなければならないコース展開といい、幅寄せしてくる敵車といい、道端に得点アイテムが落ちている場面と強い、クラッシュすると一定量ガソリンが減るシステムといい、とにかく似ている。
実際、私もこのゲームを初めて見た当時、『ジッピーレースの続編か?』と思ってしまったほどです。
まあしかし、じっくり見てみれば、ガソリンスタンドやお助けアイテム、多彩でブッ飛んでるコース、実はバイオレンスな展開、順位システム、ボーナスステージなど、このゲームらしい部分やこのゲームならではな部分はたくさんあるので、けっこう差別化が図られていたりするんですけどね。 ジッピーレースであったハイウェイもこのゲームにはありませんし。
でも、なんとなくプレイ感覚などは似通っていたりするので、メーカーは違えど、もしかしたらジッピーレースのスタッフが作ってたものだったりして…?いや実際にはどうかは知らないので、適当に言ってみただけですが。
森は木々が邪魔でとにかくルートが取りにくい。 ていうかこんなとこラリーさせんなよ。 ジグザグルート。 四輪がとにかく邪魔! ゴールはしたけど順位内に入れませんでした…。 泣くな、次(コンティニュー)があるさ。


 ダッシュ野郎と私
この『ダッシュ野郎』、熱中したというほどやりこんだわけではなかったんですが、しかしけっこう面白かったゲームだったりします。
なんといいますか、ついついヒマがあるとちょっとプレイしてしまう、そんなゲーム。
もともとジッピーレースというゲームが好きだったせいか、同じタイプであるこのダッシュ野郎もそれなりに面白くプレイしてたものです。 私はレースゲームそのものはそれほどスキじゃないんですが、なぜかこのタイプのゲームはけっこう好んでました。 なんでだろ。 レースっぽくないからかな。
一周エンドな上にプレイ時間も比較的短めなので、何度もプレイしたくなるような中毒性こそそれほど高くないけど、ちょっと時間のあるときにパパッとプレイしてパパッと終わるような、そんなお手軽な感じのゲームでした。
難易度そのものはそれなりに高く、また5面や6面などはある程度の運も絡むので、ワンコインクリアこそ数えるほどしかできませんでしたが、それでもけっこう好きなでしたね。
まったりとした雰囲気のレースがやりたい人は、一度プレイしてみるのもいいかも。
悲惨な玉突き事故。 いたいっす。 いよいよ最終面。 路上駐車だらけの道を突っ切るのだ!

暴走族サン達が歓迎してくれてます。 でもそれよりもその横にいる自転車少年達のほうが気になる 最終コースでは、徐行車でごった返す駐車場の中を走り抜けます。 それよりも幅寄せしてくんなよ。



2004年3月24日


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