戻る


猿の惑星
(PLANET OF THE APES)


西暦2029年。
人類は、宇宙へと開発の手を伸ばしていた。

宇宙スペース・ステーション『オベロン号』。
ここでは、訓練されたチンパンジー達を使い、未開の地域への偵察ポッドを飛ばすというプロジェクトが行われていた。
ペリクリーズもそんなチンパンジーのパイロットの一匹であり、今回もまた偵察ポッドで新たな惑星の調査へと向かっていた。
しかし、そこで一つの事件が起こった。
航行中のペリクリーズの乗った偵察ポッドが、突然ある空間で姿を消し、通信不能になってしまったのである。
いったい、彼のポッドに何が起きたのか?
ペリクリーズの訓練師であり、また世話係でもあったレオ・ディビッドソン(マーク・ウォルバーグ)は、上官が止めるのも聞かず、もう一つの偵察ポッドに乗り込み、ペリクリーズの消えた空間に向かって飛び出していった。
そして、彼もまた消息を絶った。

レオが気付いたのは、ある惑星へと落下するポッドの中だった。
ポッドは惑星の地表に不時着するが、衝撃で船体は大破。
何とかポッドから脱出したレオだったが、しかしそこにあったのは、信じられない光景であった。
逃げ惑う原始的な人間達と、そしてそれを狩って楽しむ知性を持った『話す』猿達。
この星では、猿が支配する側であり、人間は支配される側だったのだ。
そして、レオもまたそんな支配される側の一人として、猿達に捕らえられてしまった。

猿の召使として他の人間とともに檻の中で生活することになったレオだったが、しかし彼はまだ希望を捨ててはいなかった。
オベロン号を探し出し、仲間と連絡を取り、この星を脱出する。
この星の人間達とは違い、レオには優れた知性があった。 そして、軍人としての統率力と決断力も兼ね備えていた。
彼は立ち上がった。
自由を求める人間達のため、そして平等を理想とする一部の猿達のため、そして何より愛する故郷である地球へと帰るために。

しかし、そんなレオを待ち受けていたのは、想像を絶する光景であった……。



思いきり余談ですが、映画のレビュー書くのってホント、久しぶりです。
前回の『ホワット・ライズ・ビニース』を書いたのが去年…じゃなくて、一昨年の7月くらいだったから、約1年半ぶりですか。
間があきすぎだっつーの(笑)。
せっかく感想ルームを設置しているんだから、もうちっと充実させなきゃイカンですな。


とまあ余談はさておき、『猿の惑星』(2001年度版)の感想。
もともとこのタイトルは、数十年前に作られた『猿の惑星』がオリジナルで、こちらは言うなればリメイク(監督曰く、リメイクではなく基本設定のみを使用したリイマジネーションらしい)です。
ただ、私は旧作の『猿の惑星』シリーズを見た事が無いので、旧作についての知識は皆無であり、この2001年度版の『猿の惑星』が初めて見る同シリーズと言うことになります。

面白い映画でした。
(旧作新作ともども)『猿の惑星』は壮大な物語と良くいわれているようですが、なるほど確かに実際に見た感想は、看板に偽り無しだと感じました。

この映画でもっとも良かったと思うのが、劇中の世界観ですね。
猿人社会の描き方が非常にうまい。
劇中の猿人達は、人間の社会を模倣しているというものではなく、あくまで猿がそのまま進化して知能が発達し、そして人間のような社会を形成するようになったという、そんな雰囲気がとてもうまく作られている。
例えば猿人達は本質的には猿なので、木登りは得意であり、もちろん生活は樹上。 手と同じくらい足の指が器用で、足でものを書くことがある。 興奮した時の叫び声は『キキーッ!』であり、走る時には4つんばいになる。 また、一つ一つのしぐさや表情も妙に猿っぽいものが多く、『いかにも猿』という雰囲気を強く感じさせる。
そんな猿達が、知的で哲学めいたセリフをさらっと言う。
つまり、猿が進化したらこんな世界になるんだろうなあ、と言うリアルなイマジネーションを、映像の中からなんとなく感じさせてくれるんですよね。 これは秀逸だと思いました。
メイクもやたらリアルで、猿っぽい表情なども良く出来ている。
SFや空想的な世界の物語を語る上では、たとえ現実にはありえない世界でも、劇中の雰囲気や小物の演出などによってそれがいかにもありそうだというのを感じさせるという、つまりそれなりの説得力を持った『世界観』を形成するというのは重要だと思うのですが、この映画ではそれが非常にうまく作られていると思いますね。
これだけでも、一見する価値はあるんじゃないでしょうか。

この映画は、ストーリーも面白かったですね。
私はこの『猿の惑星』の旧シリーズを見ておらず、また内容も知らないという、いうなれば完全に予備知識ゼロな状態でこの映画を見たものですから、意外な方向に展開するストーリーには結構引き込まれました。
ちなみに私が予想した展開は、協力的な猿人とともにレオはオベロン号に向かうが、しかし宇宙船は破壊される、もしくは猿人達に占領されており、レオ達はそれを取り戻すために闘う、というものでした。 陳腐な予想ですな(笑)。
また、オベロン号がかのような状態になっているというのを見ても、どうせ何かしら解決方法があるんだろうなーと思ってたのに、それすらも裏切られてました。
唯一当たったのは、ペリクリーズが何かしら猿人達に大きな衝撃を与えるだろう、と予想していたことくらいですか。
まあとにかく、ことごとく予想外な方向に物語が展開していくので、見ている間はずっと話に引き込まれていましたね。
そして有名な『衝撃のラストシーン』ですが、確かに衝撃でした。
オチとしてはそこまで珍しくはないと思いますが、しかしこれだけ大掛かりなスケールの物語の締めとしては、かなり衝撃度が高くインパクト大なクライマックスだと思います。
なんとなく続きそうな形がするし、続編は製作されるんでしょうかね。
旧シリーズみたく。

この『猿の惑星』では、人間と猿の二人のヒロインがいますね。
でもしかし、人間の側のヒロイン、猿側に比べてあまり目立ちませんでしたねえ。
というか、ぜ〜んぜん見せ場が無かったですな。 あったとすれば、序盤での父親とのやり取りくらいか。
それ以降は人間のヒロインはもうその他大勢的な存在で、印象度としては限りなく低くなってしまったと思いますねえ。
いたの?って感じで。
でもしかし、その反面、猿人のヒロインはかなり目立つ存在でしたね。 もしかしたらこちらの方がメインのヒロインかも。
なんとなく雰囲気もヒロインっぽかったし。 水に畏怖する姿がちょっとお茶目。
ただ、人間と猿の中間のような顔がちょっと違和感ありかな。
まあ、あまりに猿そのままな顔だと見た目の魅力がまるで無くなってしまうので、ある程度人間的な要素も入れようとしたのかもしれませんが、しかしその分他の猿人達とは違ってかなり小綺麗に見えてしまうのが、少々違和感ありだったかな。
もっとも、その分猿人にもかかわらずちょっと綺麗な女性には移っていたのですが。
これは難しいところですね。 あまり猿に似せると魅力が無くなるし、かといって綺麗にすると今度はほかの猿人とのギャップが大きくなる。
まあ、私としては、猿人にしてはちょっと違和感があったというのは確かですけど、その分ヒロインとしては立っていたと思うので、別段不満はありませんでしたが。

結構有名な終盤の、人間対猿の合戦のシーンですが、スケールが大きくて良かったですね。
ただ、映画自体がPG13指定となっているので、バイオレンス度があまりなく、表現的には少々物足りないとは思いましたが。
戦争シーンにしては流血シーンが余り出ないので、戦争をしているというより喧嘩しているような感じで、緊張感的なモノはあまり感じられなかったかな。
まあ、年齢制限などを考えると仕方のないことなんでしょうけど。


総合的に見て、この映画は非常に楽しめましたね。
なんだか旧シリーズのファンとしては色々賛否両論あるようですが、私は旧シリーズを知らないのでそれに関してはどうでもいいです。
まあ、機会があれば旧シリーズも見てみたいなとは思いますが。