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 プライベートライアン
 (SAVING PRIVATE RYAN)

第2次世界大戦中のフランス。
連合軍史上最大の上陸作戦『ノルマンディー上陸作戦』。
数え切れないほどの兵士達が死に、作戦は成功した。
そこに横たわるおびただしい数の死体郡の中、『ライアン』と名前の刻まれた死体があった。
ライアンは4人兄弟だったが、この戦争で3人の兄達は全て戦死し、残るは末のジェームズ・ライアンのみ。
米軍上層部は、以前ある家族の5人兄弟が全て戦死して問題になった事を思いだし、再び同じ悲劇は避けねばと、末のジェームズ・ライアンだけはなんとしてでも救出し、家族の元へ帰そうとする。
そこでこの戦闘をなんとか生き残った第二レンジャー大隊チャーリー中隊のミラー大尉に、軍の上層部から新たな指令が下る。
『第101空挺師団所属のライアン二等兵を探し出し、救出せよ』
しかし、ライアンの所属する部隊は、ドイツ軍撹乱の為にフランス内部に散り散りバラバラにパラシュート降下しており、はっきりとした場所も、生存しているのかもわからない。
そんな生きているか死んでいるか、どこにいるかも分からない人の為に、ミラー大尉と7人の部下たちはライアン捜索のため、激戦区であるある連合軍占領地区へ向かう。
兵士たちは思う。
『なぜ、たった1人の為に8人の兵士の命をかけねばならないのだ?』
『息子を亡くした母親のためだ』
『俺達にも母親はいる。なぜ?』
様々な疑問を浮かべながらも、その8人は任務を遂行するため戦い続ける……。


この映画の見所はノルマンディー上陸作戦のシーン。凄い衝撃的なシーンでした。
なんといっても今までの戦争映画の常識を打ち破るかのようなリアリティあふれる映像。
ボートの中で揺れに耐えきれず嘔吐する者、ボートから出たとたんにマシンガンの餌食となる兵士達、装備の重量で水中から浮かび上がれず溺死する兵士、海水の中でも容赦なく襲い来る弾丸、内臓を撒き散らしながら母の名を叫ぶ兵士、爆発で容赦なく吹っ飛ぶ手足、手当て後の兵士もすぐさま弾丸の餌食、降伏したドイツ兵を撃ち殺すアメリカ兵士……。
さすが『美化した戦争は撮りたくない』といってるだけあって、この序盤の30分はすさまじいもの。
撃たれて倒れる兵士というよりも、撃たれてもだえ苦しむ兵士という戦争本来の姿がここにあります。
私も始めて見た時は、戦争記録映像の一部でも使ってるかのような感じがしたものです。
他にも兵士が手当てのかいも無く血を大量に流して皆の前で死んだでいく時など、リアリティあり過ぎです。
これを見た戦争経験者の中には後遺症をぶり返した人がいたという話も納得。
また、それだけでなくライアンを救出するために任務に向かう兵士達の心理や、助けを懇願するドイツ兵の捕虜の行動などにも、戦争と人間のもの悲しさでいっぱいです。
そして終盤での攻防戦。
ドイツ軍の戦車が出てきますが、これが非常に手強い。
よくある戦争映画みたいに手榴弾や爆弾一発で吹っ飛ぶような生易しい戦車ではなく、正に鉄の塊というべき戦車の姿。
接近しただけで振動で塹壕の土が崩れ、たった一台破壊するのに何人もの兵士が犠牲となる。
それに対抗するべく、無謀な戦いを挑むミラー大尉達。
また戦闘で兵士たちも、爆弾によって自爆や、取っ組み合いでナイフをゆっくり突き立てられたりなど、一人一人なんともあっさり死んでしまうあたり、英雄的ではない、本物の戦争というのを端的に表しています。
そして、ラストのシーン。
いやはや、さすがスピルバーグなだけあって、切なくて泣けます。
特に最後の敬礼シーンではかなりきました。
とにかくこの映画は約二時間半という長さながらも、長いと感じることなく一気に最後まで話しが進みます。
とにかく、戦争映画は嫌いという人でも、この映画は一度は見ておくことをオススメします。
戦争というのがどれほど酷くむごいものなのか、というのを正面から取り組んでいるこの映画は紛れも無く名作だと思います。